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鮭の稚魚放流

栃木県

2007.03.04






Text & Photo  : 高野 智

 栃木県で「鮭の稚魚放流」があるからと誘われて、子供たちを連れて行ってきた。うちの子供たちは3人とも楽しみにしていたのに、前日になって末っ子の翔平がインフルエンザにかかってしまい参加できなくなってしまった。
 「お前は連れて行けないから」と言っても素直に聞くような翔平ではないのだが、お土産を買ってきてやるからと言うと何とか納得したようだ。ちなみに何がいいかと聞くと「コアラのマーチ いちご味」だそうで、安上がりな息子である。

 いつものようにナベちゃん家族をピックアップして東北道に乗る。日曜日は意外と空いていて、時間通りに到着できた。

 今日はとても天気が良くて暖かい。なんでも4月中旬の陽気だそうで、半袖でも平気なくらい。川辺で遊ぶには絶好の日和だった。
 駐車場には梅の木が植わっており、ちょうど見頃を迎えていてとても良い香りがする。始まるまで梅の撮影して過ごす。子供たちもテントウムシを捕まえたりして楽しくやっていた。

 時間になると皆を集めて簡単に鮭について説明したり、水槽に入れた稚魚を観察したりした。初めて見る鮭の稚魚に子供たちは興味津々。子供にとってはメダカの親戚くらいにしか思っていないのだろうけど、この5cmほどしかない稚魚が、4年後には70cmを超える大きさになって戻ってくるのだから大したものである。
 さて、一通り説明が終わると各人に稚魚を分けて、いよいよ放流である。私は撮影に良いアングルを求めて対岸に渡りスタンバイ。

 合図とともにバケツに入れた稚魚たちを一斉に川へと放す。川に放たれた稚魚たちはしばらくは岸にとどまっていたが、元気を取り戻すと流れへと泳ぎだしていった。子供たちは心配そうにいつまでもその様子を見守っていて、なかなか岸から離れようとはしなかった。

 鮭の稚魚放流など滅多に体験できるものでもないだろう。実際、私だって初めてである。子供たちにとってとても良い経験になったことだろう。また、命の大切さを学んでくれたと思う。

 稚魚法流の後は川岸のゴミ集めをしたのだが、ここで感心したのはみんな嫌がらずに進んでゴミ拾いをしていたことだ。最近は学校などでも通学路の清掃活動をなっているので、そういった精神が身についているのだと思う。こういう子供たちが大人になったとき、やたらとゴミの落ちていない美しい日本になってくれるだろうと期待している。

山里は梅の花がちょうど見頃を迎えていた
説明に真剣に耳を傾ける小さな参加者たち
観察用に水槽に入れられた稚魚たち
横になってしまっているのもいるが、川に放たれると復活するのもいた。

銀色に輝く体が美しい
大きさは5cmほどしかない



















  皆に稚魚が配られると、待ちに待った放流だ
合図とともに一斉に放流
小さな命が泳ぎだすのをいつまでも見守っているのが印象的だった

回復するまで岸にとどまる稚魚も多かったが、
元気なやつはすぐに沖へと向かっていった

放流の後は皆でゴミ拾い
残念ながらゴミは沢山集まってしまった・・・

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