「お父さん、釣りに連れて行ってよ!」
末っ子の翔平は父親のやっている源流釣りに行ってみたいらしいのです。
父親としては息子がそう言ってくれるのは嬉しいのですが、奴は源流釣りがどんなものかは分かってません(笑)
泊まりで行っているのは知ってますが、キャンプ場のように車で行ってすぐに泊まれて釣りが出来るくらいに思っているようです。
しかし、いつも行っているような場所は、小学一年生には無理です。
自分自身が精一杯なのに、子供の面倒まで見られません(笑)
そこで泊まれるところまで道が付いてて、かつ時間的にも大人の足で2時間程度のところは無いかと考えて、秩父の荒川源流にしました。
そこなら車を止めたとこから道があります。
でも、釣れません。絶対に! 断言できます(爆)
首都圏から近くて車止めから1〜2時間のところでは、雨の後等の余程条件がいいときでないと釣れないんです。
なにせ引っ切り無しに釣り人が入ってますから、警戒心の強いヤマメやイワナはエサに食いつかないんですよ。
え?下手だからだろうって? ごもっともです(笑)
まあそれでも渓に泊まるっていうのは体験できるからいいだろう、と荒川源流に決定!
お盆休みで賑わうキャンプ場の先に駐車して、ザックを背負って歩き出します。
子供のために普段は持っていかないテントやジュースなどでかなり重いです(ToT)
息子のリュックにはジュース1本とお菓子程度なので、ボリュームはあっても軽くしてあります。それでもおそらく音を上げるでしょうけど(^_^;)
テクテクと歩いていくと道は森林軌道跡に入ります。その昔、ここには森林軌道があって、木材を運んでました。軌道跡は列車が走るので急勾配はないので子供でも歩けます。
去年整備されてらしく、木の橋が鉄骨の頑丈な物に掛けかわってました。
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緑のトンネルで一休み |
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数十年前の森林軌道の線路が半ば土に埋もれて残されている |
何度か休憩して2時間掛けて赤沢谷という大きな支流までたどり着きました。ここまで来る間に何度「お父さん、まだ〜?」という言葉を聞いたことやら。最初の1時間くらいは翔平も楽しかったみたいですが、同じような景色の中で飽きたようです。
でも赤沢谷に着いたら元気が出たようで、先に進むと言います。
この先は急な登りが続き、人一人歩くのがやっとという狭い登山道。片側は急斜面です。そんなとこ登れるかなぁ?
慣れもありますけど、翔平は高いところは苦手みたいです。
途中までは登ったのですが、へっぴり腰になってきたので引き返すことにしました。
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赤沢谷にて
森林軌道の説明板が立っている |
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赤沢谷に掛かる吊橋 |
ここまでの間に1箇所良い泊まり場があったので、そこでテントを張ることにします。
そこにはすでに一張りのテントが設営されてました。が、これがオートキャンプで使うようなデカイ奴です。1時間程度の歩きですが、よくこんなの持ち込んだなぁ。持ち主は釣りに出かけたのか留守でした。
テント設営後、早速釣りを始めましたが、
案の定釣れません(笑)
ちょとやって釣れないので翔平は飽きたようです。
子供はすぐに釣れないとダメなんですよね。やっぱりマス釣り堀みたいに腹を減らしてる魚がウジャウジャいないとね(^_^;)
子供は水遊びのほうがずっと楽しいのでしょう。ずぶぬれになって遊んでます。
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ただ歩いているより、ずっと楽しそうな顔の翔平 |
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やっぱり渓はいい! |
やがてテントの住人が帰ってきました。
驚いたことに外人です。
「こんにちは〜」と挨拶したら、「コンニチハ」と返ってきましたが、どうも日本語は苦手なようです。
翔平が「おじさん、何処行ってきたの?」と問いかけても返事はありませんでした(^_^;) なので翔平も遊び相手にならないと思ったのか、それきり話しかけませんでした(笑)
外人さんは3人組。でも、釣り道具は持ってないし、いったい何しに来てるのやら?
謎の外国人3人組。怪しい(爆)
思い出したのですが、6年ほど前にお盆に来たときにも、外人に会ったんですよ。たしか同じところにテントがあったような気が・・・。
もしかして毎年来てるのか? それだったら日本に住んでて日本語も出来ると思うのですが・・・。
やっぱり怪しい(笑)
外人って、もっとフランクで話し好きっていうイメージがあったんですけどね。そうじゃない人もいるみたいです。
それでも私たち以外に人間がいるっていうのは、初渓泊まりの翔平にとっても寂しくないでしょう。
渓に泊まるとなったら焚き火は定番ですけど、これがなかなか火が点きません。かなり湿気ているようです。
流木使ってここまで点かないのも珍しいですよ。
失敗したら親父の沽券に関わるので意地でも点けちゃる!
しょぼい焚き火でしたけど、どうにか点きました。
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やっぱり焚き火が無いと
今回はちょっと寂しい焚き火だった |
晩御飯を食べちゃうと疲れからか眠そうにしてるので、さっさとテントに入って「おやすみなさ〜い」
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朝日が渓に差してきた
今日も良い天気だ |
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テントの外が明るくなってきて、目が覚めました。今日も良い天気です。
今日は友人の荻野さんと、根がかりクラブの原さんが、それぞれ息子を連れて来る日です。休日が合わなかったので、残念ながら一緒には行けませんでしたが、それでも1日だけでも子供同士で遊べればいい想い出になるでしょう。
やがて上の方から声がしました。荻野さんたちです。
なんでも道を間違えたらしくて、1時間半くらい余計なアルバイトに精をだしてきたみたいです。
原さんの息子のイサキは翔平と同じ小学1年生です。でも、ずっとがっしりした体格で、親父に似て強そうです。
そんなイサキもアルバイトで疲れたのか、元気がありませんでした。しかし、川遊びを始めたとたんに、今までの疲れた様子はどこへやら、3人で元気に遊びまくってます。
「どう?、昨日釣れた?」と荻野さん。
「ダメダメ、全然釣れないよ」と私。
「エサ忘れちゃってさぁ」
「じゃあブドウ虫沢山余ってるから、使ってよ」
私はもう釣る気が無いのでブドウ虫を渡して、釣りしてもらいました。
もし、万が一間違って釣れたら写真撮ろうと思い、カメラだけ持って渓を上がっていきます。
しかし、すぐそばで子供たちがバシャバシャ遊んでるので、釣れるわけがありません。
もともとプレッシャーの高い渓ですから、なおさらですね。朝早く一人先行していってるし。
というわけでアタリが1回あっただけで、結局子供との水遊びで終わってしまいました。
でも子供に釣りをさせたり、一緒に遊ぶのが目的なので、それでいいんです。
昼ぐらいまで遊んだら私たち2人は引き上げます。せっかく仲間が来たのに残念です。翔平ももっと遊んでいたかったようですが、温泉をエサに重い腰を上げさせました。
次は子供でもイワナが釣れるところで、一緒に遊びたいと思った親父でした。
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