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伊南川に尺岩魚を狙って

 福島県伊南川

 1998.05.23(土)



Text&Photo:田辺 哲 

午前1時半、釣友の中村氏といつものとおり出発。今回高野氏は仕事で行けないとの事。こんな絶好の季節に仕事だなんて高野さん、仕事変えたら・・・。

ここ伊南川は先々週も釣行したが、高野氏の釣行記にもあったとおり渡渉できずに核心部には入れなかった。今年はどこも雪代の流入が早く終了しているので今週あたりは最高の水況だろうと読んだ。実は今日の夕方は渓流釣り同好会「渓道楽」の結成式があるので本当は自宅でのんびりしようと思っていたのだが、どうも週末になると「釣りバカの虫」が騒いでしまう。会長の岩田氏には「ちょっと伊南村の愛人に呼び出しくっちゃったんで、一発カマしてきますわ(失礼!)」などと訳のわからん理由をつけてお許しをいただいた。

那須塩原ICでおりて、通いなれた道を走るがいつもの倍以上の車だ。こんな夜中に走っているのはまーず我々と同業者か盗人だ。すると突然,いつもはとっても温和な中村氏が愛車の280PS怪物モンスターのアクセルを全開にして、制限速度をちょっとだけオーバーしながら?あっというまに現地に到着したのであった。

さーて、肝心の水況だが我々の予想どおり雪代はとっくに終わったようだ。これなら充分に渡渉できるので一安心。そう思っているともうすでに中村氏は秀山荘特製の「スーパープロ」で身をかためているではないか。私もあわてて上○屋グッズに着替えて入渓した。
32cm岩魚

まずは淵への流れ込みを攻めてみる。2投目にアタリがあったが18cmのイワちゃん。絶好のから揚げサイズだがお子様には用事はないのでリリースする。しばらく粘ってみるがどれもお子様ばかりなので中村氏を呼び、対岸に渡渉し平瀬を攻めてみる。渓相が良いと言われているこの川ではほとんどの釣り人はもっと上流か、ずーっと下流を攻めるようで、こんななんの変哲もない平瀬を好き好んで攻める人は少ないようだ。煙草をふかしながら(携帯灰皿は忘れずにね・・・)中村氏の釣りをみていると2投目でアタリ。しかし餌が取られたようだ。「こりゃあもう食わないだろうな」なんて思っているといきなり竿が曲がっている。中村氏は慎重にタモに収め、メジャーをあてると25cm。「中村さん、おめでとうございまーす」と拍手をし私は上手のガンガンの落ち込みに目をつけ、仕掛けをセットしているとまたまた中村氏の竿が曲がっている。こんども同クラス。どうやら雪代が治まってからもあまり人がはいっていないらしい。ということは目の前のガンガンの落ち込みには絶対に良型が入ってると思いオモリを慎重に選び投入するとうまく白泡の下に入った。目印はほとんど動かない。とっ さに(これはきてるな)と思い、一呼吸おいてからアワセをくれるとズシンと重みが伝わってきた。最近は本流より沢のチョウチン釣りばかりなのでついつい抜き上げようとしてしまうが、ヤツの顔を見たとたん冷静になり、「中村さーん、デカイのがきたよー」と大声で呼び、やり取りを開始するもなかなかガンガンの中から出てこない。しばらく竿を充分にため、岩の間にもぐりこまれないようにしていると、こんどはいきなり下流に走り出した。(こりゃあまずい)と思い私も下流に移動し流れの緩い場所までなんとか誘導してやる。あとは「暴れないでね」と声を掛けながらそっとタモですくった。早速中村氏にメジャーをあててもらうと32cm!やっと伊南村の愛人に会う事ができました。(これでウソつきにならずにすんだ)

この1尾でもう満足だ。あとは気楽にのんびりやろうと思っていると、またまた中村氏の竿が・・・。こんどは27cmの良型である。「今日はお互いに最高ですねえ」このあと私は良型を1尾バラしたのみだったが、中村氏は8寸クラスを2尾追釣し約束の10時になったので納竿した。

帰りがけ、半年ぶりに蕎麦屋「おりた」で昼食をとる。(国道352号を伊南村方面から行くと121号との交差点の数百メートル手前の右手にあります)ここの店主夫妻はまるで商売気がありませんが、都会で味わう洗練されたそばとはちがう田舎ならではのうまい蕎麦が味わえます。もし、釣りの帰りにでもお立ちよりの際は「赤いjeepで来る釣りバカさんに薦められてきましたよ」と奥様に声をかけていただければ幸いです。


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