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 ザイルワーク講習会

 98.12.12(土)
 埼玉県長瀞にて
 メンバー: 岩田会長、渡辺副会長、川上顧問、山田氏、瀬谷氏、
        永田氏、高野氏、山川氏、田中氏、私(高野)

Text&Photo:高野 智 

 通常の渓流釣りであればザイルが必要になることは無いだろう。しかし、道も無いような本当の源流部に行くにはザイルが必要になる場合もある。また、林道がある渓であっても大雨による増水等で身動きが取れなくなることは充分に考えられる。そんなときにザイルが一本あり、その使い方を知っていれば助かることだってあるだろう。そんな理由から顧問の川上健次氏にお願いしてザイルの使い方についての講習会を開いていただいた。

 講習は埼玉県の長瀞の荒川河川敷にある、高さ8m程の岩を使って行われた。当日は雲一つない晴天に恵まれ、日中は比較的暖かかった。

 まずはザイルの結び方を教わる。皆真剣な顔でやっているが、なかなかうまくは行かないようである。結び方にもいろいろあり、太さの違うザイルの連結やセルフビレー(自己確保)に使う「エイトノット」、同じ太さのザイルの連結に使う「ダブル・フィッシャーマン」、懸垂下降や仮固定に使う「半マスト結び」、支点や自己脱出に使う「ブルージック」や「ヘッドオン」など用途によって使い分けないとならない。誤った使い方は命にかかわるのでしっかりと覚えなくてはならない。

覚えの悪い会員たちに根気よく説明する川上氏。 まずは傾斜の緩い斜面で初体験。
右手に力が入りすぎている私。 余裕のカメラ目線の渡辺氏。
会長の下降。

 ひととおりの座学が終わったあとは、いよいよ実地である。まずは傾斜の緩い、ザイルなしでも降りられる場所で懸垂下降を初体験する。懸垂下降の方法にもいろいろあり、「ハーネスとエイト環を使った下降」、「ハーネスを使わない半マストでの下降」、「日本式と呼ばれる肩絡みでの下降」と持っている用具等により方法が異なる。これらを一通り体験し本格的な懸垂下降を行った。

 場所は先程と異なりノーザイルでは下降が困難なオーバーハングした8m程の高さの所で行った。まずはハーケンを打ち込み、それにシュリンゲを掛け支点としザイルを垂らす。そこで各自が選んだ方法で下降する。私は「ハーネスを使わない半マストでの下降」で降りることにする。まずはシュリンゲをカラビナで体に付け、カラビナにザイルを半マストで通す。コツはザイルを握った右手に力をいれずに、左手で下降スピードを調整することである。それが出来れば意外と簡単に降りることが出来る。

さすがに力の入りすぎの会長。 体重オーバー?の瀬谷氏。

 全員が体験した後にキノコ汁で昼飯とした。川上氏が味付けしてきたキノコを鍋にいれ、しょうゆと本だしで味を整える。寒いときのキノコ汁は体がとても温まった。

川上氏特製キノコ汁。 遅い昼飯を食べながら川上氏の話を聞く。

 その後、懸垂途中でそれ以上降りられなくなった場合に登り返す為の自己脱出の方法を教わり、講習会を終了した。

 今回懸垂下降を体験したことにより、大抵の場所は自信が着いたと思う。無理してノーザイルで降りるよりも、ちょっとした所でもザイルを使ったほうが体力を消耗せずに早く降りることができるだろう。あとは忘れないように練習しておけばバッチリだ。

 ザイルの結び方や懸垂下降の方法は、そのうちホームページ上で紹介したいと思っている。


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