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 山梨渓流釣り解禁


 
釣行者:瀬谷 進一、田辺 哲
 釣行先:山梨県富士川水系
 釣行日:99年3月6日
 釣果  :アマゴ(放流魚) 8寸強−2尾、5寸−2尾、7寸強(天然)−1尾

Text:田辺 哲 

 3月を迎え、渓流も続々と開幕しているが釣行場所に一番悩むのがこの時期…。なにせ近場の川はどこにいっても満員御礼、そんな状況で渓魚を釣るほどの腕はあいにく持ちあわせていないのである。それでも運良く解禁日が土、日にあたればそこそこ釣れるんだろうが、なにせワタシぁ勤勉?なサラリーマン。ウィークデイはひたすらお得意先に対して良くもないアタマを下げ下げ、社内じゃあ「ちっとも実績が上がらんじゃないかあ!」と上司にイジメられ、こんな不景気な世の中なのにウチの会社はいつまでたっても右肩上がりの売上げを要求される。

  とまあ、グチるのはこのくらいにして、今週ホントは会長を誘って山形の米沢近辺を予定していたのだが、寸前になって「オレ、やっぱやめとくわ…。ナベちゃんひとりでいっといで…。」と冷たいお言葉。どうもお年寄りは寒さが苦手なようである。そこで登場したのは先々週の千曲でマイナス11度の寒さにも関わらず夕マズメまで粘った男、瀬谷氏!。

 氏は渓流釣り歴2年目にもかかわらず昨シーズン何を間違ったか当会に入会してしまい、以後いつも魚の薄い川ばかりを連れまわされている悲惨な釣り人である。このままでは早くも脱会してしまいそうだ。瀬谷氏が一緒ならなんとしても大食漢の魚のいる場所に行かないと…。それなら山形はまだ早いしどうしたものかとアタマ悩ませた結果、去年の解禁日にいい思いをさせていただいた富士川水系に決定した。

 埼玉の自宅にいつものとおり瀬谷氏が迎えに来てくれて深夜の中央道を山梨方面へ…。とにかく一番乗りで昨年の淵を陣取らないとならないので現地には3時に到着してしまった。「もう着いたの?」と瀬谷氏。いつも岩手だあ山形だあ岐阜だあと遠くまで連れまわされている氏にとって、山梨県はとなりのコンビニにでも行くような感覚なのだろう。そして「こんな民家の目の前で釣れんのかよ?」と目が訴えている。「大丈夫ですよ。去年は入れ食いだったんだから。」と言ってみたものの夜明け前になってもほとんど車を見かけない。ひょっとしてまだ解禁してないのかも…。いや、たしかに1日に解禁しているはずだ。ということはなんで未だに釣り人の車が通らないんだろう。もしかして今年は放流してないのかなあ、と不安になる。「全くオマエは混雑がイヤでこの川にしたんだろ!」と声が聞こえそうだが解禁最初の土曜日でこんな状況だとかえって不安になるのもベテランの貴兄なら解っていただけるでしょ…。

 6時頃になりようやく明るくなり始めたが目の前の淵をみて唖然。なんとまあ渇水と土砂で底が見えそうな状態なのだ。いよいよ冷たい視線を浴びせてきたが、無視して仕掛けを投入しているといきなり氏の竿が満月に…。渇水の淵では不用意に動きまわると魚を散らすので「抜いて!」と言うとなんとハリス切れ!。どうやら慣れない0.2号のラインを投入前に枝に引っかけで傷が付いていたようだ。

 ともかく魚がいることは分かったので二人とも真剣に目印を見つめているとすぐに私にアタリ。タモに飛んできたのは7寸オーバーのヒレピンアマゴちゃん!。久々のベッピンさんにホレボレしてしまう。

 今度は対岸の岩盤すれすれを流していると目印ツンツン、すかさず合わせるとなかなかの引き…。あかってきたのは25cmクラスの放流物だ。釣りとは不思議なもので心に余裕ができるとアタリが増えるようだ。淵尻の浅いカケアガリでまたまたアタリがあり、引き抜いたのはこれも25cmオーバーの放流物。この時点でまだ7時過ぎ。「こりゃあツ抜けは楽勝か。」と思いきやそれっきりアタリがとだえてしまった。そうです大食漢アマゴちゃんはこの淵にはもういなくなっちゃたのです。

 その後、上流の瀬の石裏でリリースサイズが2尾程でたが、とうとうキープサイズはでませんでした。

 えっ、肝心の瀬谷氏ですか?。それは聞かないで下さいよ。(実はもう一尾良型を掛けたもののまたまたハリス切れ…。)

  これで本当に氏は脱会してしまうのだろうか?。世の中ついていない人っていうのは本当にいるんですよねえ…。帰りの車中はさぞ暗いんだろうなあと思っていると「次は入れ食いですよお!」と明るいお言葉。次こそいい川紹介しますよ!、瀬谷さん。


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