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 「山形県」釣行記


 
釣行者:田辺 哲、瀬谷 進一
 釣行先:山形県越後荒川水系
 釣行日:99年3月20、21日
 釣果  :岩魚 泣き尺−1尾、9寸弱−1尾、8寸強−1尾、7寸強−1尾、
          7寸弱−4尾、5寸弱−1尾、カジカ−1尾
 必需品:かんじき(勿論今回は不携帯)

Text:瀬谷 進一 

今回は、前回の山梨釣行の屈辱を晴らすべき万全の態勢で望み、また『渓道楽』にこのまま会員としての存続をかけた釣行であった。
というのは、冗談でもっぱら、山形県か〜。山形といえば米沢牛だ!と食い物のことばかりを考えながら、いつものように田辺氏をピックアップし24時30分に出発した。

岩槻ICより福島飯坂ICまで、順調に走ったが、米沢市手前の栗子トンネルを抜けると、そこは吹雪であった。勿論、天気予報は事前に確認しており、雨は降っても仕方ないな〜と思ってはいたが、まさか吹雪とは!現地で吹雪いていたら、温泉もあるし、酒池肉林だあ!と相変わらず飲兵衛ではない、呑気な二人であった。

現地には5時ごろ到着。気温は、千曲川のマイナス11℃を経験しており特に寒さは感じられなかった(実は二人とも皮下脂肪が豊富である)。今晩お世話になる宿の玄関前に飾ってある狸の足元に隠された日釣り券をとり、第一ポイントの車止めに向かう。幸いに吹雪は収まり、夜明けまで車中で固形食と流動食(Beer)を補給し、時折小雪の舞う6時に入渓した。

雪は1m以上残っており、重力に逆らってウェイトオーバーの我々は、時折股間まで雪にはまりながら、第一堰堤を目指した。経験の浅い私には、雪代が入り水量はまずまずのように思える。私は、堰堤手前左側、田辺氏は右側、餌は田辺氏に分けてもらったドバである。ここでは、私が先に7寸強と7寸弱をゲットさせて頂く。いつもバラシまくっている私が真剣に取り込みをしていると「がははははー!」と田辺氏の笑い声が聞こえてきた。私は緊張の余り、"カツオの一本釣り" の如く竿を天に向けたまま、後方にひっくり返りながら、取り込んでいたらしい。

さらに上流を目指すと、所々カモシカやウサギらしき足跡を目にしながら、なんで奴等は雪にはまらないのかな?と思いつつ、一つのアイデアが浮かんだ。「そうだ!右足が雪にはまる前に、左足を、さらに右足を」 と試してみたが、上手くいくわけもなく、やがて第二堰堤に到着。

ここでは、田辺氏がドバでの当たりを2分ほどねばり、泣き尺と7寸強をゲット。私は田辺氏より、秘策の仕掛けを分けてもらうが、当たりのみであった。さらに、車で15分程移動した川で釣行するも、雪代が多く、濃い笹色に濁っているため当たりもなし。早々に引き上げ昼食とした。

午後は、車で30分程かかった堰堤にて釣行開始。いつものように、私が餌を付けようとしている間に、田辺氏が7寸を。しばらくして私が5寸をゲットした。このすぐ上流に堰堤が左右にあり、私が右、田辺氏が左、それぞれの堰堤にて夕まずめまでねばる。ここでは私が7寸−2尾をゲットした。ここでの岩魚はすべて腹が黄色く "いつき"であった。薄暗くなる中、納竿し宿に向かう。

19時に高さ10mの大かまくらのある(6chおはようクジラで紹介された)宿に到着した。温泉入浴後、岩魚料理のフルコースと濁酒をたいらげた後、部屋で田辺氏に仕掛けの素早い作り方を学び、爆睡となる。

翌朝、田辺氏に起こされ目を覚ます。「朝日だ!」と思った瞬間、両足のふくらはぎがだるい。そうであるかんじきもなく雪上を歩いたことが原因である。入浴後、朝食をたいらげ、のんびりと出発した。

まずは、先日と同じ最初の堰堤では、ともに当たりもなし。その上の堰堤では、田辺氏がドバであたるも食いが浅い様子である。私もドバ・イクラ・キジ・ぶどう虫と手を変え品を変えチャレンジするが、当たりもなし。その間に田辺氏は川虫を採取したらしく、キンパクに変えたとたん7寸を即ゲットした。やはりセオリー通り川虫が一番の様であった。この渓は、川虫が豊富で今シーズンは期待出来そうです。

ここより20分程、車で移動し別の渓に入ることとした。しばらくすると堰堤が確認でき、田辺氏は、堰堤直下、私はその下の落ち込み?で釣を開始した。先程採取した川虫でねばるが、一向にアタリがこない。餌をドバに変えようかと悩んでいたその時に、目印が"スー"と力強く引き込まれた。「アタリだ!」と思った瞬間、思わず「田辺さーん!アタリだ!」と叫んでしまった。「タモ!タモ!」と田辺氏のアドバイスにもかかわらず、私は先に糸を掴み、魚を鷲掴みにしてから、タモに入れてしまった。またまた「ガハハハ〜!」と笑われてしまった。非常に御恥ずかしい話ではあるが、この時の型9寸弱は私にとっては最大のものであった。以後、田辺氏も8寸強をゲット。最後に、田辺氏と握手をして、納竿とした。

福島飯坂ICまでは大雪、以後雨と散々な気象であったが、この時期にしては、十分満足のいく釣果であり、久方ぶり心に余裕があったため"団子三兄弟"を口ずさみながらの帰路であった。

今回は、バラシは無かったが、取り込みの未熟さ/仕掛けの創意工夫等まだまだ反省すべき点が多くある。未熟な私を見捨てずに、色々お世話になった田辺氏に感謝いたします。


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