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 ’99最終釣行 神の恵み?の大岩魚

 
山形県越後荒川支流
 
釣行者:渡辺副会長(健さん)、田辺氏、瀬谷
 
釣行日:1999年9月25日〜26日

Text:瀬谷 進一 

今シーズンは厳冬(2月13日)の馬瀬川釣行に始まり、これでいよいよ本当に最後の釣行となってしまった。
いつもは他力本願、田辺師匠よりドバを分け与えてもらっていたが、二日前の秋分の日に自宅近くの神社でドバを採取することに成功。とはいっても時期が時期だけにたった7匹である。この宝物を慎重にクーラーへ納めて、小雨が降り注ぐ中いつものように集合場所である『かじか』へ向かった。
今回は、各自8寸クラスを10匹程キープし越冬に備えよう!、また、岩田会長へは、魚拓用に墨を摺っておいてください!(まさかこれが現実になるとは?????)と伝言を残し『かじか』を出発した。
とはいっても山形方面は台風18号の余波がまだのこっている。そのため釣果は全然期待できず、釣行自体が危ぶまれるほどの最悪の気象条件であった。とにかく最後だから、ノンビリと宿に泊まって温泉につかり酒池肉林をエンジョイしようと心に誓いかじかをスタートしたのが現実である。

【A沢】

第一のチェックポイントである玉川支流A沢へ向かうが、さすが禁漁直前の週末だけあって、釣師達の車が所々に停まっている。幸いにもA沢には一番に到着した。
当ポイントは、先週田辺師匠が尺上イワナを二匹ゲットしているが、今回は残念ながら、アタリもなく早々に移動となる。健さんは相変わらず車中で幽体離脱中である。

【B沢】

次のポイントは、荒川支流のB沢である。実は、ここも先週健さんが、泣き尺ヤマメをゲットしている。
車止めに到着するとすでに先行者らしき車が三台停まっており、健さんを残して田辺師匠と私は下流のポイントへ向かった。
師匠は左岸、私は右岸より釣行開始。師匠は快調に良形のイワナやヤマメをゲットしているが、私はいつものようにバラシまっくいる。そうです!みなさんご存知のように合わせができないんです。遂々優しい性格がでてしまいそおっと仕掛けを上げてしまうのです。以前、川上顧問と女川へ同行させて頂いた時も、ドバを使うのは10年早いよ!と言われるほど自他ともに認める超下手糞なのです。

【あたなは神を信じますか?】

健さんを回収すべき予定時刻が差し迫る中、珍しく持参したドバも底をつき、なんとかキジで釣り上げようと四苦八苦していると、さすが心優しい田辺師匠、貴重なドバを三匹分けてくれるではないか!それでもすぐ1匹、2匹とドバを取られてしまい、とうとう最後のドバになってしまった。
時間も残り少なくなり、仕掛けを80位の提灯にし、精魂を込めてここぞというポイントに投げる。珍しく思い通りのポイントに入ったなと思った瞬間、穂先がのされてしまった。師匠は声高らかに[竿を縮めてー!タモ!タモ!タモ!]と、それを聞いた私は何を間違ったか竿を伸ばそうとしている。こんなやり取りの中、タモに入ってくれたのは何と37cmのイワナであった。そうです渓道楽で一番釣行日数が多い割には、打率が最低の私を神は見捨てなかったのです。

【宿泊】

健さんを無事回収し、先週もお世話になった『越後屋』へ向かうこととした。しかし、なんと10名の団体予約が入っており今晩の宿泊は難しいとのこと。ここはすべて手作りがモットーで10名までがキャパの限界でした。ご主人が不在のため、じいちゃんの隠居先でもいいから泊めてくれとわがままも言えず、昼食を食べ他の宿を捜すこととした。近くにある泡の湯温泉宿に行くが、一泊¥8,000と我々財布の中身とは相性が悪く、再び荒川方面へ戻る。
○×宿と看板のでているところを2、3軒あたるが、オープン?していないとのことで断られる。確か小国駅に行けば宿があったような気がする。と田辺師匠の一言で再びUターンをする。やっと見つけました小国駅前1等地・徒歩20秒、ビジネスホテル『喜久屋』の看板が。素泊まり¥4,500。宿の雰囲気からすると若干高いような感じであるが、一同合意のもとに決定する。何故かマッチ箱には旅館割烹の文字が?

【C川】

『喜久屋』を予約して、C川へ向かう。ここは先週私と川村氏が入ったが、増水のため30分程で撤退を余儀なくされた場所である。田辺師匠は堰堤の大物狙い、健さんと私はその上流へ向かった。我々はアタリもなく寂しい結果であったが、さすが大物釣師尺上を一匹ゲットしていた。

【晩飯】

日没前に『喜久屋』へ帰還する。メインストリートを挟んで対面にある定食屋で、健さんと田辺師匠に、初めて釣れた尺イワナを祝って頂き、締めて今晩の飯代は¥9,000也。

【D川】

朝9時頃『喜久屋』を出発しD川へ向かう。1時間程走ったところで大堰堤を発見。車で対岸まで回り込んでから、しばし薮こぎをして堰堤下に到着する。健さんと田辺師匠はここで、私は一段下の落ち込みで釣行を開始する。私にはハヤしか掛からず、適当な時間で健さん達と合流。状況は、徐々にイワナの型が良くなっているとのこと。田辺師匠より竿を受け取り釣りはじめるが、いつものようにばらした後、一切アタリもなくなり納竿となる。今シーズンはこれで終了となってしまった。

【昼食】

しらさぎ荘温泉に入浴。各自、今シーズンの色々な思いを胸に帰路に向かう。
いままで米沢市を何度となく通過しているが、誰一人本場で米沢牛を食べたことがないという話になり、米沢市内NEC工場の正門の隣にある『グッド』という店に飛び込む。店内には著名人の色紙と写真が飾ってあり、余程美味いんだろうとメニューを見てビックリ!そうです日頃我々が見慣れた定食屋のメニューより0という数字がひとけた多いのです。「たけーなー」と言っているうちに牛刺しのお通しがきてしまい、これがまた最終釣行に相応しいくらい美味なのでした。
各自○×△定食+ビール+牛刺しをオーダーし、締めて13,000円也。

【今シーズンを振り返って】

今、手帳を読み返すと、2月から9月までの間、なんと釣行日数が合計57日間もあった。勿論その反動として今まで週末にこなしていた仕事もウイークデイに集中することになり、かなりハードであったことは事実である。ときには営業車の中で仕掛けを準備することもあったかもしれない???それぞれ色々な思いがあるが、なかでも印象に残ったものは、
◎女川:初めての源流。川上顧問と同行させて頂き、渓流で初めて泳いだ気持ちの良さと入れ食い状態。
◎石滝川:川上顧問によるスパルタ釣行。肋骨骨折と体力の限界を知った。
◎見附川:田辺師匠といっしょに遭遇した目前を横切る月の輪熊。
◎一ノ戸川支流:初めての大物33.5cmのヤマメをゲット。
◎素晴らしいひなびた温泉、定食屋等など。
以上より、確かに第一の目的は釣りではあったが、これだけ遠方となると釣行というより旅行といったほうが的確ではないかと感じてしまう。渓道楽の諸先輩より、釣りの技術だけではなく、実に多くのことを学ばせて頂いた様な気がする。そのなかでもやはりチームワークがなりよりも重要であり、一人ではけっしてできない経験を色々とさせていただいた。
渓道楽の皆さん、『信頼出来るパートナー』を肝に銘じますので、来年もどうかよろしくお願いいたします。


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