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 福島県 伊南川


  1998.05.09(土)

  中村、田辺、高野



Text  :高野 智 

 午前1時30分、3人を乗せて伊南川目指して出発する。伊南川は毎年釣行しているが、条件さえ合えば大物が期待できる渓だ。しかし、今回はゴールデンウィーク直後なので、かなり人が入ってスレているだろうから、釣れるか釣れないか行ってみないと判らない。もともと人気河川であり、いつ行っても人が非常に多い。私たちはポイントに1番乗りするために早めに出発した。

 途中でコンビニに寄ったが何台も釣りに行く車がいたのには驚いてしまった。いつもより釣り人が多いようだ。それでも入渓地点には1番乗り出来、一安心。早速準備を整え渓に降りる。気になる水量だが、いつもより多い。これは渡渉出来ないかもしれない。そうなるといつものポイントには入れないことになる。まあ、それは後で試すことにして、まずは淵に竿を出す。私より先に準備の出来た田辺氏が第一投。とたんに「きたっ!」との声。いきなり7寸程の体高のある本流ヤマメだ。私たちの頭に「入れ食い」の文字が浮かんだ。私もポイントに振り込むがアタリはない。2投、3投するが全然反応なし。田辺氏にも中村氏にもこない。頭に浮かんだ「入れ食い」の文字はしだいに消えていった。

 ここでねばっても駄目そうなのでポイントを変えることにした。はたしてこの流れを渡ることが出来るだろうか。先頭をきるのは一番重い田辺氏だ。田辺氏はだんだんと川の中へ入っていく。しかし途中まで行って無理と判断し引き返してきた。田辺氏が無理なら私たちは絶対に渡れない。残念ながら他に移動するしかないようだ。しかし本流はどこでも同じなので川通しで釣り上がることは出来そうもない。ならば、どこかの沢に入るしかないが日が登ってからかなりの時間がすぎているので、ほとんどの沢に人が入っているだろう。結局、車に戻りウロウロすることになってしまった。

新緑の渓を釣る中村氏私 とりあえず適当な沢に沿った道を登ってみる。すると直ぐに車が止まっていた。その車が止まっている所より1km程走り、ようやく駐車出来そうな所を見つけ入渓することにした。しかし沢とはいっても結構な水量だ。あまりポイントも無さそうだったが、本流よりは良さそうなので3人で沢に下りた。しかし、ここも場荒れがひどくてアタリが全然ない。3人は適当に林道に上がったりして別々に行動する。やがて下りた所に岩があり、その向こう側がトロ場になっている所があった。私は岩に隠れて餌を振り込んだ。するとなにやら竿先に反応があった。すかさずアワセるとようやく良型のイワナがあがった。7寸にちょっと足らない腹の黄色い居つきイワナだった。そして直ぐ上でも6寸のイワナをあげた。やっと釣れだしたかと思ったが、結局それで終わりだった。その後暫くやったが全然駄目。林道の上でホイッスルが鳴ったので顔を上げると、2人が呼んでいる。「どうだった?」と聞くが2人とも駄目だったようだ。

本流差しの岩魚 違う沢に行ってみることにして車で移動する。今度はもっと小さい沢に入ることにした。田辺氏は本流をやってみるそうなので、中村氏と2人で入渓する。入渓点の直ぐの所にちょっとした落ち込みがあった。そこの弛みに餌を放り込むと、かすかなアタリが・・・。釣れたのは22cmの本流差しのイワナだった。この沢にしては良型だ。私たち2人は交互に釣り上がっていく。しかし、ポイントと思われるところにはイワナは留守のようである。ならばと竿抜けを狙うがやはり駄目だ。集合時間の11時までやったが全然駄目だった。

本流を釣る田辺氏 午後は本流の淵をやったが、釣れたのは5寸のイワナが1尾だけ。雪代が収まり水が落ち着いてからでないと駄目なようだ。尺物はまた次回に期待しよう。


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