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 栃木県 渡良瀬川

  1998.08.15(土)
   中村、高野

    天候  :曇り
Text  :高野 智 

 今年のお盆休みは岩田会長と蔵王に釣行する予定だったのだが、会長が腕を痛めてしまい中止になったので暇になってしまった。そこで、仕事の忙しい中村氏と近場で午後から釣ろうということになり渡良瀬の支流に入ることにした。前回の渡良瀬では思わぬ8寸ヤマメが釣れているので、今回もひょっとしたらという期待があった。

 午後1時すぎに中村氏を拾って国道17号を深谷方面に走る。お盆だけあって結構な交通量である。それでも熊谷バイパスに入るころには割と空いてきた。空は曇っているが雨が降るほどは暗くない。渡良瀬上流に行くとは決めていたのだが、どの支流に入るかまでは決めていなかった。まあ適当なところがあったら入ればいいやぐらいの釣行である。

 国道122号に入ると、上りの対向車線は大渋滞。帰りはここを通るのかと思うと気が重い。やがて渡良瀬川に沿って走るようになり「水量はどうかな」と覗くと大減水。なんだか釣れそうもなくなってきた。

 しばらく走ると中村氏が「今のところなんかいいんじゃない?」というので車を停めて見に行ってみる。そこは水量は少ないが木がかぶさっていて、良さそうな落ち込みがある渓だった。時間も無いしここで竿を出すことにして準備する。

 ガードレールをまたいで木に掴まりながら渓に降りる。下りた途端に目についたのは川底に溜まった土だった。上から見たときは暗くて見えなかったのだが、これではとても釣れそうも無い。しかし降りてしまったので、とりあえず竿を出してみることにした。

 ブドウ虫をつけて落ち込みに振り込むが、案の定アタリなんてない。土だけでなくゴミもかなり落ちていて最悪の渓だ。ここまで酷いところは初めてかもしれない。しかし、こんなところでも渓魚たちは生きていたのである。小さな落ち込みに餌を入れるとアタリがあった。釣れたのは小さなヤマメだ。ただ痩せたチビではなく、体高のある綺麗な型だった。こんな泥で埋まった渓で餌なんてあるのだろうか。まさかこんな小さな支流に放流しているとも思えないし、本流からは上がれないと思うのだが・・・。

 しばらくすると雨が落ちてきた。魚はポツポツは釣れている。しかし、型が小さいので面白くない。途中で林道が横切っていたのだが、その上でも渓は荒廃していた。いいかげん暗くなってきたので切り上げることにした。結局ここで一番大きかったのは私に来た6寸程のヤマメだった。この渓ではとてもキープする気になれず、全て流れに返してあげた。渓に流れ込んでいる泥は全て植林された斜面が崩れたものだろう。植林される前は小さいけれど豊かな流れがあったのだと思うと残念でならない。


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