ゴールデンウィーク目前、きっと多くの渓師が早く竿を出したくてしかたがないに違いない。この時期、渓は新緑に萌え寒々とした景色から、ようやく春に移り変わろうとしている。私達も早く新緑の渓を見たくて一足先に休みを取って山深い渓の岩魚達に会いに出掛けてきた。
このところ天候が不安定で晴れの日が長く続かないので、釣行前日は天気予報が気になってしかたがなかった。しかし、何度見ても新潟県地方の降水確率は高いままである。他のサラリーマン釣師の方々と同じく条件の良い日を選べないのが辛いところだ。しかし、天気が悪いからと言ってせっかく取った休みを無駄にはできないのである。
4時ごろ仮眠から覚めるとシトシトと霧雨が降っていて、目指す渓は雲の中に霞んでしまっている。雨の中で着替えるのは面倒で、このまま寝ていられたらな〜という気持ちを振り切り歩きだす。
暫く林道を歩くと杣道の入り口である杉林が見えてきた。そこから30分程の所にある小さな沢伝いに降りれば本流に出られるのだが、今回はもっと手前から入れないかと偵察するつもりであった。途中降りられそうな所を見つけ少し降りてみたのだが、30m程行くと崖のようになっていて行けなくなってしまった。雨の中でザイルを使うのも面倒なので、あきらめていつもの所から入渓する。
本流に降りると見覚えのある流れが出迎えてくれた。しかし、去年来た時に比べるとまだ緑が少ない。流れも冷たく渓魚の反応は鈍そうな予感が・・・。取り敢えず竿を伸ばし落ち込みに投餌してみるが反応は無し。そのまま2人で釣りあがると対岸のぶっつけでアタリが出た。早アワセでは掛かりそうもないので1分程待って抜いたのだが、水面を出たところでリリースしてしまった。今のは7寸以上あったのに・・・。気を取り直して釣りあがるがどうしてもハリに掛からない。暫く行った落ち込みで中村氏が岩魚を掛けるが6寸位しかない。当然リリースする。私にも同サイズが来たが、キープサイズは全然出ない。早くしないと雪代がさらに増えてしまい、ますます厳しくなってしまうだろう。
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綺麗な6寸岩魚 |
まだ渓は雪に埋まっていた |
今年は去年よりも雪が多く、渓は雪崩によって埋まっているところが多い。その上を慎重に乗り越えながら行く。この渓は谷は深いが流れは比較的緩やかなので危険な所は無い。しかし、魚が釣れないことにはつまらない。9時位になったら引き上げようということにして、山菜を物色しながら行くことにした。この渓には山菜は豊富にあり、そこらじゅうからコゴミやアブラコゴミ、ゼンマイ、ウルイ等が顔を出している。フキノトウはもう開いてしまっていたので、コゴミをビニール袋に詰めた。岩魚のほうは居ることは居るのだが型が小さい・・・、大物はまだ動いていないようだ。その後は2人とも7寸程の岩魚を1尾ずつキープして下流で釣ることにした。
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7寸岩魚 まだ痩せている |
下流部は広く階段状の堰堤が沢山ある里川である。川に降りるのも土手をちょっと下れば良く、どこからでも入渓できる。しかし、当然雪代が入り水温は低くなっており活性は良くないようだ。何度かアタリはあるものの6寸の山女魚が2尾出ただけで終わりだった。中村氏のほうは8寸程のニジマスとちび山女魚が1尾。ニジマスのほうは3面護岸!の支流が出会う落ち込みで来たらしいが、一瞬山女魚かと思ったがニジマスだったとガッカリ(でもないのかな)していた。
今年は去年に比べて雪代が消えるのが1ヶ月は遅いようだ。もっとも去年は雪が少なくて気温の異常に高い日が多かったので、例年と比べると1ヶ月季節がずれていた。やはり豪雪地帯の山岳渓流は6月位にならないと駄目なようだ。次回の釣行は条件の良い時にあたってほしいものだ。 |