HOMEBACK

福島県一ノ戸川&山菜取り

  1999.05.15(土)〜16(日)

  
田辺、瀬谷、中村、高野
  天候:曇りのち雨



Text&Photo :高野 智 

 今年も「どんぐり山の会」主催の山菜取りの時期がやってきた。今年の場所は福島県の猪苗代湖の近く。今回も多くの人たちが集まり楽しい宴になるに違いない。でも、心配なのは天気のこと。予報によるとどうやら雨・・・。こればかりはしかたがないけど。おっと、その前に私たちにはもう一つの楽しみが待っている。そう、渓流釣りである。せっかく自然豊かで、美しい渓魚の住んでいる「うつくしま福島」まで行くのだから、釣りをしない手はない。

 実は私、前日の昼頃までは釣りに対する情熱が減少していた。なぜかというと今年は良い釣りをしてなかったから。でも、帰りの電車の中で東北の釣り雑誌を読んでいたら、今回はなんだか釣れそうな予感が・・・。というわけで車に乗り込む頃には、すっかりハイな気分の私であった。そして田辺氏も「今回は遠慮します」と言っておきながら、やはり釣りの誘惑には勝てず「やっぱり行きます」と前日に連絡が。ナベちゃん無理しちゃ駄目だって、誰よりも釣りが好きなくせに。
 今回の場所は福島県喜多方の一ノ戸川。4月に田辺氏と中村氏が出掛けたのだが、まだ早かったらしく再挑戦となった。ただし、山菜取りの集合時間が10時なので、長時間は無理ということで堰堤1ヶ所狙い。ってことは大漁?かオデコかふたつにひとつ。さて誰がやるのか、やられるのか。

 ポイントまでは結構時間がかかってしまい、着いたときには日が登っていた。幸い先行者はいないもよう。早速着替えに入るが、皆なんだか焦っている。ワラワラと着替えて渓に降りると早速川虫取りを始めた。が、全然いない・・・。しかたがないミミズかブドウ虫で釣るか。

 最初に竿を出したのは中村氏。が、いきなり堰堤左下の一等地に餌をぶち込んだ。「いやぁ〜ん、そこはまだダメェ〜ん」と思う間もなく、手前のポイントを飛ばしていきなり前に出る中村氏。ここは手前が岩盤のえぐれになっていて、そこまでは3m以上の水深がある。私は右側岩盤のえぐれに竿を出す。餌はキジの2本ちょんがけ。第一投目でアタリが出たが、アワセそこない。ま、今の感じじゃチビだなと自分を納得させ、瀬谷氏も来たので今度は真ん中に入れる。6Bのガン玉を付けドボンと沈めた。今回の仕掛けは8m本流竿に0.8号3.6mの何とも妙なもの。これは田辺氏のアドバイスで「長竿じゃないと堰堤下まで届かないし、上は木があるからチョウチンじゃないと辛いよ」と言う言葉に従ったもの。

 ゆっくりと底波に乗って流れてきた目印が岩盤のえぐれの手前で止まった。今度のアタリは小さい、ってことは魚はデカイ(^^)。仕掛けを送り込んで暫く待って聞いてみる。するとクンクンという手応えが・・・。すかさずアワセをくれて、太糸にものをいわせてぶち抜いた。重さからいって結構な型だ。左岸の岩の上に落とし瀬谷氏に押さえてもらい、魚を見に行った。「おおっ、かなりの大きさ。ひょっとして尺上?」と思っていると中村氏も1尾抜いている。あっちも良型っぽい、が、俺のにはかなわないだろとメジャーをあてると31.8cm。「やったー、久々の尺物!」精悍な顔つきのオスの岩魚だ。歯も鋭くアップで見ると恐ろしい顔である。よく岩魚は渓流の肉食獣だと言われるが、私には獣どころではなく肉食恐竜の顔に見えた。

31.8cm オスの尺岩魚 立派な尾ビレだ
これは獣なんてカワイイものじゃない、
まるで肉食恐竜だ
中村氏の8寸強岩魚


 もう、尺を釣ってしまえば満足、満足。タバコに火を付けのんびりする。田辺氏はアタリはあるのだが、釣れないらしい。大物釣師ナベちゃんピィ〜ンチ! 瀬谷氏は10cm位のを釣って苦笑い。それをやさしくリリースして釣り続ける。

 ナベちゃんの声に振り返ると、これまた10cm位のチビが。中村氏は釣り下って様子を見に行った。そして今度は瀬谷氏の竿に7寸程のがかかった。「なんか釣れなそうだから、ちょっと小さいけどキープしていいよね」って瀬谷氏。「どーぞ、どーぞ」釣れないんだから、晩のおかずにキープしても「山の神」も許してくれるでしょう。しかし、続けて瀬谷氏に8寸弱が来てしまう。戻ってきた中村氏も堰堤下の白泡から8寸弱の綺麗な岩魚を出した。となると残るは田辺氏だが、残念ながら根がかり以外で田辺氏の竿が曲がることはなかった。

中村氏の2尾目、23cm 堰堤を攻めるナベちゃん


 時間も7時半となり、そろそろ行かないと集合時間に間に合わない。「じゃ、行こうか」と皆は片づけ始めたのだが、まだ竿をだしているのがいる。渓道楽一の大食漢瀬谷氏・・・。キープが2尾じゃ腹の足しにもならんとばかりに粘っている。「もう散々やったんだから釣れないよ」と言おうとしたとたん、竿がしなった。瀬谷氏はあわてて抜き上げている。でも仕掛けが短いから、岩魚は空中遊泳。「瀬谷さん、竿縮めて!、早くこっちに魚をっ」と皆大騒ぎ。ここで落っことしたら朝日の二の舞。皆の頭には去年の朝日川の光景がよぎっていた。実は瀬谷氏、滝壺で尺岩魚を抜き上げ、ブラブラさせている間に落っことすという前科があるのだ。まあ、今回は無事キャッチできてホッとした。大きさを計ってみると28cm。「自己記録ですよ〜」と喜ぶ瀬谷氏。落っことさなくて良かったね。

瀬谷氏の自己記録 28cm 新緑の一ノ戸川

 さて、車に戻って目指すは郡山である。会長とは現地待ち合わせなので途中で電話してみると、なんとまだ矢板だという。なんでも蓮田で待ち合わせしたメンバーが遅れたらしい。

 だんだん郡山に近づくにしがって天気が悪くなってきた。どうやら1日持ちそうも無いようだ。おまけに寒い。昨日まで暑いくらいだったのに、山の気温は8度しかない。これで雨が降ったらテントで寝るのはやだな〜。

 キャンプ場への道はややこしく、カーナビを頼りに行く。カーナビに設定した目的地に着くと「音声案内を終了します」の声が。とたんに道を間違えた・・・。

 ほぼ時間どおりに到着したが、すでに駐車場には大勢の人が集まっていた。瀬畑氏や川上氏に挨拶をして受付を済ませ、会長たちを待つ。待つこと数十分、意外と早くやってきた。この後、グループに別れて山菜を取りに行くのであるが、会の顧問をやってもらっているので、私たちは川上氏に付いていく事にする。しかし、これが後で後悔することになるとは、思いもしなかった。

 川上氏達の乗った車に付いてどんどん林道を上がって行くが、いつになっても止まる気配がない。とうとう峠を越えてしまったところで、ようやく停車する。しかし、あたりを見回すも山菜らしいものは皆無である。もう時期的に遅かったかな〜と思いつつも、川上氏が沢伝いに入って行くので付いていく。しかし、やはり山菜はなかった。途中少しばかりのワラビを見つけたあと、引き上げることになった。「でも、まだ1時過ぎだから集合時間まで何やるんだろう」と思いながらキャンプ場に到着。すると、川上氏急いでバンガローに入っていく。手にしてきたのは、やっぱり酒!!。さっきとは違って、もうニコニコ顔だ。でも、それって「どんぐり山の会」に贈られた奴じゃ・・・。川上氏は車に乗り込むと、お店に直行し、肴を買い込む。宴会場は近くの公園・・・。「こんなところで」と思ったのだが、よく考えてみると、皆が一生懸命山菜を取っているのに、先にキャンプ場で宴会って訳にもいかないか、一応事務局長って肩書だし。

 まずはビールから始まり、ついには酒2升、さらにはワインまで空にして終わったのは、集合時間はとっくに過ぎた4時半。「おいっ、これに水を入れといてくれ」と酒のビンを渡され、しかたがないので水をいれてくる田辺氏・・・。最初から山菜なんて取る気なかったんじゃないの、川上さん。当然キャンプ場では料理が始まっていた。きっとこれも計算に入っていたに違いない。そーでしょ、川上さん!

 どーりで川上さんグループは、「根がかりクラブ」関係以外付いて来なかった訳だ。そーと判っていれば瀬畑さんや下田さんに付いていったのに・・・。魚だけじゃなく、山菜もガセネタを掴まされた訳ね、私たちは。

 まあ、楽しく騒げたからいいか〜と、今度は宴会夜の部に突入。さんざん食って呑んで騒いだところで、あまりの寒さに退散となった。

山菜料理 大食漢瀬谷氏と渡辺副会長(手前)
宴会夜の部


 明けて翌日、雨が激しく降っている。直帰する会長達と別れて私たちは鶴沼川に向かった。しかし、ここでは全員オデコ。まあ、時間も時間だし、しょうがないかと一路大宮を目指す私たちであった。


 HOMEBACK