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 どんぐり山の会 山菜教室 福島県奥只見

   2000.05.20〜21

   岩田会長夫妻、渡辺副会長、永田信明、松井隆明、
   瀬谷進一、中村敏之、八木さん夫妻、高野智

Text:高野智  Photo:中村敏之、高野智 

 国道の通行止めのために大きく迂回を余儀なくされ、大幅に遅れて奥只見に着いた。
 奥只見は人気のエリア。朝一で着いていなければ良い沢には入れない。私たちは支流に入り、岩魚の顔を拝む為に無心で竿を振った。
 だが、水が冷たいせいなのか、だいぶ釣られているからなのか、岩魚たちは簡単には顔を見せてくれない。

 平野部ではとっくに散ってしまったサクラが咲いていた。
 5月上旬に咲いているのは見たことがあるが、下旬に咲いているのは初めて見る。
 奥只見ではようやく春なのだ。

 残念なことに山は雨だった。
しかし、人間にとっては嫌な雨も、山の生き物たちにとっては無くてはならない恵みとなる。
 雨は雪を溶かし地中に染み込み、やがて川となり海に注ぐ。悠久の昔から繰り返されてきたことが、今も変わらず続いている。

 雨に濡れた新緑は、ことのほか美しい。
 岩魚は釣れなかったけれど、春の恵みの山菜にありつけた。
 冬は数メートルもの雪に閉ざされた静寂の世界だが、これからは山の生命がいっせいに活動を始める季節。


八木さんご夫妻(HPはこちら)と渓道楽の仲間たち。
初対面でも渓流釣りを通して、すぐに打ち解けることができる。
山に感謝して山菜を食し、美味い酒を酌み交わす。

 岩魚がようやく顔を出してくれた。
 今まで散々竿を出してきたのに、この瞬間だけは何度目でも嬉しい。

 白斑が大きいのがアメマス系の岩魚の特徴。
 背中の虫食い模様もくっきりとしている。

 新緑に彩られた渓で岩魚を釣る。シーズン中でもっとも美しい季節だ。

 ナメ滝は非常に美しいが、岩魚にとっては決して住みやすい環境ではない。

 ナメ滝のエグレを釣る。
 底が岩盤なのでポイントは非常に少ない。

 どこまで行っても新緑とナメが続く渓。
 あと少しだけ岩魚が釣れてくれれば、楽しさも倍増するのだけれど・・・。

写真で一部を切り取ってしまうと、素晴らしさは伝わらない。
五感の全てで感じ取らなくては、山の息吹と一体になることはできない。

渓沿いにあったモミジの葉は、吹き抜ける清々しい風に身をまかせていた。

久しぶりの青空に心も躍る。
美しい緑と青い空、白い雲。渓流釣りをやっていて最高の時。


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