今シーズン3回目の山釣りをどこにするか悩んでいた。岩魚も釣りたいが、沢での感覚を取り戻したい。そんな事を考えながら地図を見ていた。湯井俣川では思わぬ雪代に行く手を阻まれ不完全燃焼で終わった。7月の中旬には新潟の渓を計画しておりスーパーゴルジュの谷を無事に行けるか不安であった。そんな心配を解決しようと小滝の連爆する沢をチョイスした。同行者の紺野君とさいたま市を9時に出発し現地着が午前零時。途中で買い求めたビールにて、渓道楽の源流野郎Aチーム!?の旗上げだと車中にて乾杯し、久しぶりの沢音のなか心地よい眠りについた。
明け方4時半に車止めを出発した。日帰り計画の為、ザックにはザイルと食料のみ、それでいても体が妙に重く感じた。所々の淵で交互に竿を出すが手のひらにもみたないドジョウのような岩魚が餌のドバにアタックする程度。釣りはそこそこにして上部を目指す。明るく開けた沢筋に小滝、ゴーロ、ナメが続く。さらに行くと釜をもった5mのチョクストンの滝(F1)が現れた。せっかくだから竿を出すようにと紺野君に勧めたが、私に譲ってくれた。虹色に照かるドバをチョンがけにし一投すると簡単に釣れた。すぐにリリースして滝の攻略法を紺野君と慎重に相談する。右の水流際に数多くのホールドがありシャワークライムで直登が可能。竿を出す事を譲ってくれたお礼にと紺野君に先を譲る。私も続いて直登する。コケが生えている為、しっかりとしたホールドの確認が必要ではあるが、多少の経験者であれば楽であろう。徐々にテンションが上がってくる。
F1を超えると連爆が始まる。体のバランスを確認しながら、高低に係らず滝は直登した。紺野君もゴルジュの渓をイメージして泳ぎながら滝に取り付く。この沢のF2は全体にハングしており崩れやすい。水流の中にホールドを探すが強い水圧と冷たさにドボン!!二人とも高巻だけはしないぞと、何度もチャレンジするが滝つぼに落ちるばかり、このままでは体力が消耗してしまうと、ショルダーでクリアー。この辺より岩魚の気配は全く無くなる。たとえ放流しても滝の間隔が短く生存、まして繁殖など不可能と予測できた。
F2から距離の無い所にF3がある。やはり5m位のチョクストンで取り付きが難しい。この滝つぼも適当な深さが有り、落ちても大丈夫そうだが、落ち癖がつかないようにと時間をかけ丁寧に直登した。
日曜日の日帰り釣行の為、遅くとも午後1時には車止めにと計画していた事もあり、F3で小休止し引き返した。経験の浅い会員の沢トレにと、帰り途中の滝については巻道を確認しながら3時間の時間を費やした。渓道楽では毎シーズン諸先輩方が険しい源流域にトライしている。いつか自分達も経験を積み、渓の思い出を増やしていきたいと思う。
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