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静岡県大井川支流

2004/08/14-15


渓道楽:篠原一、松井伸介
バカ長隊:時田隊長、浅川隊員、晋也隊員






Text & Photo  : 松井

 今年初の静岡の友人たちとの渓泊まりに行った。
 昨年、膝を痛めて以来、今シーズンは湯井俣や佐渡といったコースしか行ってない。今回はヤバい。
 昨年初めてご案内頂いた際に自分の作った「ワンパクソーメン」失敗のお陰でシャリ切れとなり意識朦朧となるくらい歩けなくなり、参加者の皆さんに多大なるご迷惑をおかけしたのだ。今回は逆に恩返しをするくらいの気持ちで行こう。そう思い膝サポーターを購入しての参加となった。サポーターの効き目は良好で、すこぶる調子の良さだ。

 行き先は今年お初のバカ長隊(BNT)の秘渓へご案内頂く。
 メンバーは山岳部隊出身の渓/ネオン街を問わずタフガイ=時田隊長。強靭な体力にしてどぶがめ(静岡で言う底無し)=浅川さん。BNTの象徴的存在=晋也さん。そして師匠の篠原さん。寸又渓輔さん川虫君は諸般の都合により参加できないのが残念なものの最高のメンバーである。

 天気は晴天!!やはり遊びは晴れに限る!!渓歩きが楽しくなる。言う事なしだ!!
 3時間程度の遡行が終わりテン場に到着。あとは釣りにキノコに酒と遊ぶだけ遊び、浴びるように呑み大騒ぎするだけ!!

 釣りは篠原さんが尺上を上げた。今回ばかりは横取りではなかった。浅川さん、晋也さんは我々に気を使ってほとんど竿を出してない。自分が篠原さんのように尺を上げれば思う存分に釣りを楽しめるのだろうが、いつも自分が釣る自殺志願岩魚が不在のようだ。恐縮だ。
 結局、各自数尾の岩魚を釣り、自分は岩魚の替わりにヒラタケを持ってテン場へ戻ると、後発の隊長がテン場へ到着した。
 隊長は自分のためにわざわざコーラを持参してくれた。前回釣りから戻る途中でダウンした自分がテン場に到着するやいなや、コーラをイッキ呑みして倒れこんだのを覚えてくれてたのだ。BNTのお心遣いには毎回感激する。疲れた体に実は一番旨いのがこれ!五臓六腑に染み渡る旨さ!!

 面子は揃った。宴会開始だ!!冷凍とは思えない工夫されたチャーハンやたこ焼きに舌鼓を打ちつつ、腹を抱える程の笑いが渓にコダマする。
 川上さんに教えてもらった岩魚の蒲焼やヒラタケのバター醤油ソテーを作り、BNTに振舞うと感激された。正確には岩魚は人の釣った岩魚なので、振舞ったとは言えない。が、作り手としては最高の喜びである。

 各自、久々の渓遊びだったのか疲れが出て、終宴が早かった分、朝の宴会開始は早かった。

 雨音に目が覚め、「プシュ」「プシュ」っと残りの酒に手が伸びるのは必然的だった。昨年の手取川での鮭釣りの金沢前夜祭の話やBNT版「伝説の男」話に花が咲く。この仲間たちと呑むと、仕事のストレスも何もかもが忘れられる。常々思うが、どこに行くかも大事だが、誰と行くかがそれ以上に大事だ。「渓の酒とはこうありたい。」と言うのを絵に描いたような酒である。
 間もなくして、朝イチで釣りに行った隊長が活かし魚籠に尺2寸はあろう太った大きな美しいヤマト岩魚を引き下げ帰って来る。
 聞いてみると自分が昨日、諦めて引き返したすぐ先の溜まりに大岩魚が群遊してたという。釣った岩魚で刺身をつまみにもう一杯。



 間もなくして下山の準備をしつつ、次の一杯を里で呑むぞ!!と帰りの遡行を開始した。帰りは雨上がりと言う事もあり「旦那」の活きが良い。帰り道だけで10匹以上取れた。

 一方、晋也さんは活性を失った。理由は篠原さんの後続を歩く「篠ちゃん初心者」によくある症状で、「ケミカル アリ」ならぬ「ケミカル シノ」による「バックファイヤー(放屁・ゲップ攻撃)」にやられたのだ。足を引きずっているが、脳を伝って足の神経に毒が回ったようだ。
 自分は心で「晋也さんに神のご加護がありますように!」と祈りながらも隊長とキノコ探しをしつつ遡行する。

 車止めで最後の「旦那チェック」をしつつ最近恒例になりつつある、篠原さん開発の「か・い・か・ん(セーラー服と機関銃風)」をやる。
 男性用メンソール入りウェットティッシュでタマタマのシルクロードから関所(肛門)までの汗を拭うのだ。これが、温泉に入るまでのひと時を快感にしてくれる。名付けて「か・い・か・ん」である。
 BNTの皆さんは自分たちをまるで「ファーブル昆虫記」でも見るかのように見てる。当然である。ところが、勧めてみるとそこらじゅうで快感の雄叫びが上がる。

 恒例の川根温泉に到着し、露天風呂に入ると目の前に花火が広がる。また忘れがたい夏の思い出が出来た。隣で浸かってる篠原さんを横目に見ると、ここからも小さな花火が上がってる。
 いや、バックファイヤーだった。


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