日本海に面した新潟県岩船郡山北町に笹川流れと呼ばれる海岸がある。ここは見事な景観を誇る海岸線が11kmにわたって続いており、
昭和2年に国の名勝天然記念物に指定されている。
笹川流れとは、とても風流な名だが、どういった経緯でついたのだろうか。一説には「岩の間を盛り上がるように流れる潮流を、中心地笹川集落の名にちなんで付けられた」ともいわれる。
さて、ここ笹川流れには小さな河川が何本も流れ込んでいて、渓流釣りにも絶好の地となっている。
渓道楽の今年春の釣行会は、山形県の温海温泉。この笹川流れのすぐ近くである。
この辺りには2000年の春に一度訪れているが、初日、厚い雲に覆われて寒々とした日本海を見た記憶が強く残っている。だが、2日目はとてもよい天気となり、汗ばむくらいの陽気の下、この笹川流れの小さな流れから綺麗な岩魚が飛び出してきたことを覚えている。あれからもう9年もたってしまったのか・・・。
そんなことを思いながら夜の関越道をひた走る。今回は板長の高橋さんの車で、森さん、会長のナベちゃん、そして私の4人だ。
今年は高速道路の料金が1000円均一になったので、遠くまで行くときはとってもお得になった。
赤城高原SAまでは私が運転したが、その後は爆睡。気がついたら日本海側を走っていた。
コンビニに寄るとすでに夜が明け始めている。買出しをして最初の目的地である蒲萄川へと向かった。
適当と思われるところで車を止めて、ウェーダーを履き渓に降りる。
仕掛けを繋いで静かに竿を伸ばすと、いよいよシーズンの幕開けだ。
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蒲萄川の流れに竿を出すナベちゃん |
淡い青が美しい、ヤマエンゴサク |
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カタクリは渓流釣りでよく見かける花だ
日が当たらないと花びらが開かない |
しかし、高まる気持ちとは裏腹に魚信は全く伝わってこなかった。やはり渓流釣りは難しい。特に源流釣りばかりやっていると、全てが大雑把になってしまって、繊細な里川の釣りに対応できなくなっている。
ここは諦めて場所替えだ。
車で少し走って良さそうなところに目星をつける。
そこでようやく森さんにヤマメがきた!
小さいが美しい魚体。さすが渓の女王と言われるだけある。
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型は小さいが美しいヤマメだ
この笹川流れの渓には、ムカシヤマメがいるという |
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春を告げる山菜 フキノトウ |
早春の流れ |
カンゾウも顔を出していた |
野生化したアサツキ |
赤花のフキノトウ
こんなのは初めて見た |
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のどかな山里の春を満喫する |
今度はもっと上流に行ってみる。
里から離れてやがて道はくねくねと山肌を登っていく。
渓はまだ落差は少なく雪代も入って増水しており、明確なポイントが少ないようだ。
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可憐なキクザキイチゲが出迎えてくれた |
こちらもキクザキイチゲだが、紫の花だ |
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増水した流れに森さんが竿を出す |
ここでもカタクリが沢山咲いていた
日が当たってしっかりと花が開いている
繊細で美しい姿 |
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ここでナベちゃんが7寸の岩魚を釣る
すっかりサビも取れて、体力は回復しているようだ |
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ヒラヒラと舞うクジャクチョウを見つけた
そっと近づいてシャッターを切る
渓にも春が訪れていた |
ここでも私は釣れなかった・・・。
アタリはあるのだが、上手くアワセられないというか鉤がかりしないというか。つくづく釣りが下手だと思う。
しばらく釣り上がったが、ポイントも少なくアタリもほとんど無いので、ここも見切りをつける。
今度はもっと里へと移動した。
ここでようやく岩魚をゲット!
しかし、笑っちゃうような釣れ方。
堰堤でアタリも出ないから移動しようと竿を上げたら岩魚が付いていた。
まあ、いつもこんなもんである(笑)
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ようやく釣れたというか、釣れちゃったというか |
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護岸の上から竿を出す、お気楽な釣り
こんなふうにノンビリした釣りもいいものだ |
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煌く流れとネコヤナギ |
板長の高橋さんにも良型岩魚がきた! |
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キクザキイチゲとフキノトウ
いたるところで春を見かける |
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さあ、もう十分楽しんだ。そろそろ宿へ向かおうか。
今日のお宿は、温海温泉に1753年より続く「あさひや旅館」
(〒999-7204 山形県鶴岡市湯温海甲203 TEL:0235-43-2002」)
源泉かけ流しのお風呂までついて、とってもよい旅館だ。
温海温泉の辺りは遠いけど、とてものどかで癒されるところだった。
いつかまた訪れたいものだ。
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