この釣行記を書いているのは、10月も半ば。
すでにほとんどの河川が禁漁期間に入ってしまっている。
今年の釣行を振りかえってみると、釣れたのと釣れないのが半々だった。
中でも三峰川の貧果には参った。あれだけ苦労したのにボウズとは・・・。
そうかと思えば岩手のように、車を横付けでポンポン釣れたり。
しかし、これも自然相手の遊びだから仕方がない。
そして今回の最終釣行。
私「最後くらいは爆釣したいよね。」
斉田さん「じゃあ、秘密沢に行きましょうか?」
というわけで、斉田さんの隠し沢に連れて行ってもらえることになった。
斉田さん、ありがとうございます。
今回はいつものメンバーにも声を掛けたのだが、みなさん仕事で行けないとのこと。
もっとも大人数だったら秘密沢には行けなかったみたい。
話によると釣り場が短いらしい。せいぜい数百メートルで、2時間も釣り上がると滝が現れゴルジュになってしまい、
巻いても降りられないとのこと。
なので2人くらいでないと釣りにならないとのことだ。
いつものように22時出発で未明に車止めに着いた。
2人で乾杯して仮眠したのだが、寒くて目が覚めてしまう。
山はもう冬が近付いているのだ。
うとうとしながら朝を迎え、着替えして出発する。
いつものことだけどエンジン掛かるのが遅いので、最初の歩きが辛いこと。
年は取りたくないものだ。
瀬畑さんや、うちの岩田顧問などは70過ぎても渓流を歩いてるんだから、ホントに大したものだと思う。
自分が70になったら絶対無理!
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紅葉はまだ始まっていなかったが、明け方はかなり冷え込んで眠れないほどだった。
眠い目をこすりながら準備をする。
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見上げると素晴らしい青空だ。
わずかに色付いた木も見られた。
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辛い登りで少しでも気を紛らわせようと、キノコを探しながら歩く。
「マツタケでも出てないかなぁ」と私。
「黒部で採ったことあるよ。登山道の脇に出てた。」
「マジで?! いいなぁ。」
今年はマツタケの当たり年だとか。
一度でいいから、マツタケの群生に出会ってみたいものだ。
マツタケは無かったがキノコは出ている。でも、食べられかどうかわからない物ばかり。
中には明らかに食べられないものも。
死の天使と恐れられるドクツルタケが何本も。
森の中に生える真っ白な姿は見ている分には美しいが、1本食べれば確実にあの世行きの恐ろしいキノコだ。
他にも肉厚で美味そうなツキヨタケもたくさんあった。
だが、自分たちが知ってる食えるキノコはなかなか無い。
と、ようやく斉田さんがタマゴタケを発見!
これは美味そうだ。
他にはイグチが2本ばかりあっただけで、お目当てのマツタケ、マイタケは無かった。
まあ簡単には見つからないよね。
九十九折れの山道を登っていると先行する斉田さんが
「お、なんかいる。猿か? あ、カモシカだ!」
「どこどこ? お〜いたいた! 写真撮れるかな? カシャ!」
カモシカはしばらく2人の侵入者を見つめていたが、森の奥に消えていった。
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ホコリタケ
押すと頭の先の穴からホコリのような胞子が出るあれである。
このキノコ、なんと食べられる。ただしホコリが出るようになる前の若い状態のときだが。
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おお! 美味そう!
肉厚でプリップリの・・・毒キノコのツキヨタケじゃん(笑)
見た目がムキタケにも似てるのでご用心。
食べると30分から3時間のうちに嘔吐や下痢などの症状が出る。酷い時は死亡する場合もあるそうだ。
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二つに割ってみると、やはり黒いシミがあった。
これがツキヨタケの特徴。
ただし、若いのにはシミが無い場合もある。人間と同じだね(笑)
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これはなんだろうか?
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こいつも食べられそうだが、分からないのでやめておく。
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立派なブナ。
ここは人の手の入っていない原生林だ。 |
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やっと食べられるのが見つかった。
立派なタマゴタケだ。 |
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森の住人、カモシカ。
斜面を駆け上がり、こっちをじっと見つめていた。
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やっと下りになった。
渓まであと少しだ。
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これも食えそうだけど・・・。 |
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これも知らないキノコだ。
テングタケかな? |
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これは・・・
死の天使、ドクツルタケ? |
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そしてようやく道は下りとなり、どうにか渓に到着!
私「やっと着いた。 テン場はどこら辺?」
斉田さん「少し遡行したところにあるよ。 そこまで釣りながら行こう。」
目の前にはいい感じの滝とぶっつけになっている釜がある。
いそいそと仕掛けを繋ぎ、2人で竿を出すと・・・
クン、ッククという懐かしいイワナのアタリだ!
少し待って送り込んで合わせると、グンッという手ごたえが竿に伝わる。
「これだよ、これ。源流はこうでなくちゃ。」
抜きあげると9寸はある良型のイワナだ。
そして斉田さんにもアタリが来ている。
こいつも同サイズのイワナ。
2人の顔に笑みがこぼれる。
ウジャウジャの渓っていうのは本当だった。
そしてザックを背負い滝を小さく巻く。
その上にもまた好ポイント出現。
そしてまたまた良型のお出ましだ。
「すごいね、斉田さん!」
「でしょ!」
その滝では斉田さんが2尾連続。
私も1尾釣って上流に。
その滝の上に良いテンバがあったので、ここに決定。
高台になっているし万一の増水時も安全だろう。
今日は素晴らしい天気だから、大丈夫とは思うが。
早速、そこを整地してタープを張る。
今日は2人だけだから、広々使える。
ただ、気になっていたのは風がかなり冷たいこと。夜は眠れるだろうか?
そこでタープの両サイドを地面につくくらいにして、風が入ってこないようにした。
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