自分たちの趣味、渓流釣りの世界ってホントに女性が少ない。普通の渓流釣りなら居なくもないが、源流でイワナ釣りして渓に泊まるなんてことになると、数えるほどしかいないのが現実。
なので源流で女性と釣りをするなんて機会は、いままでほとんどなかった。
が、しかし! そんな世界にもついに一筋の光が差し込んだ。あの渓の翁こと瀬畑雄三さんの発案で、「テンカラ女子会」なるグループが結成されたのだ。
ちまたでは、AKB48やSKE48とかローマ字3文字のアイドルグループが全盛。48っていうから48人もいるのか! って驚くけど、実際には2軍みたいのまで入れると100人近いのだとか。ただでさえ同じ顔に見えるのに、オジサンには全く区別がつかないぞ。まあ私は若いから、よくテレビに出てる子は知ってるけどさ。なんて見栄を張っても、娘たちには「あ、そ。だから?」と冷たくあしらわれるのが関の山。
まあ、そんな話は置いておいて、テンカラ女子会・・・。彼女たちは源流釣り界のアイドル。
それなら、Tenkara Jyoshi Kai・・・ 「TKJ48」だな。48人いないけど本家も48人じゃないし問題なし。
もちろん「TKJ48」というのは私が勝手に言ってるだけで、オフィシャルじゃないからここだけの呼び方ってことで。
で、なんでテンカラ女子会の話かというと、今回は翁に誘われてTKJ48の顔合わせに行くのである。女子会なんだから男は関係ないやんと思うだろうが、TKJ48だけで源流に行くのは無理がある。歩荷(ボッカ)役が必要ってことなのだ。
女性がいるところに男が集まるのは、どの世界でも共通。このスケベオヤジたちが!という声は、あえて無視することにして、呼びかけに応えて秋山郷へと向かったのである。
で、せっかく秋山郷に行くのだから釣りをしない手はない。集合はお昼なので、早めに行って朝から釣ればそこそこ楽しめるはず。
そこで斉田さんと話して、2人でどこかで釣りしてから行こうってことになっていた。
と、そこへとっても嬉しい知らせが。TKJ48のメンバーが大阪から来るから、一緒に乗せていってほしいとのこと。で、その子はせっかくだから釣りがしたいらしい。
その大阪の子とは、sayaちゃん。渓流2014春号にも出てた、あの子だ。
見た目はかわいいのにバリバリの源流ウーマンで、沢はもちろんクライミングも登山もなんでもOK。なにせカエルまで食っちゃう女子だから(^_^;) 釣り以外は何から何まで自分たちよりも上の彼女。でも今回は本格源流じゃないから、彼女に置いていかれることはないから安心(笑)
そんなわけで、アイドルsayaちゃんにマネージャー、カメラマン同行で、秋山郷でのお仕事へレッツゴー!!
途中、国道の通行止め等を迂回しながら秋山郷に到着。さらに国道405号の朝5時までの通行止めにあい、通れるまで仮眠する。解除になって、すっかり明るくなった道をどんどん登る。眼下に見える魚野川本流は、コバルトブルーの雪代ゴンゴンでとても釣りにはならない。
しばらく走って栃川の車止めに到着。こちらも雪代が入っているが、渡渉も大丈夫そうなのですぐに着替えて渓に降りた。
魚はいるかなぁと、渓に沿って上がってポイントを探す。が、竿を出す前にウドを見つけてしまった。
「sayaちゃん、ウドがあるよ。」
「ホントですか! あ、ウドだ。」
と言うが早いかさっそく採り始めてるし(笑)
さて魚のほうはどうだろうか。斉田さんが仕掛けを繋ぎ第一投。
「・・・」
「アタりないなぁ」
「水温低いもんね」
TKJ48のsayaちゃんは、もちろんテンカラで。
さすがにこの条件だと、毛鉤は厳しい。
ポイントに振り込むも、反応は無し。
この辺りは堰堤だらけだし、魚いないのか?
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今日もよい天気だ。
今年は天気には恵まれてる。
が、今日は魚はどうかな・・・。
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食べごろのウド。
これは良型。
天ぷらにいいな。 |
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ウドが目に入ったら山菜タイム!
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sayaちゃんも夢中で!
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もうそんなに採ったの?!
笑顔がいいねぇ! |
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釣りもしなきゃね。
今日は釣れるかな。
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テンカラで攻めるsayaちゃん。
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オジサンは水には入らない(笑)
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釣りは渋いが、見上げれば信濃俣河内と同じように、雲一つない青空。そして萌える新緑の山。
すばらしい秋山郷の自然。
朝方は気温も低く寒かったが、日が昇るにつれ暑くなってきた。
しかし、水は刺すように冷たい。渓にはかなりの雪が残っていた。
さすが豪雪地帯の秋山郷だ。イワナたちも雪代の冷たさに、まだじっとしているのだろう。
そんな身を切るような冷たい水にもひるまず、sayaちゃんはふとももまで入って竿を振っている。
冷たくないの?! とてもオジサンには真似のできないことだ。若いっていいなぁ。
そんな積極的な釣りをする肉食系女子のsayaちゃんの猛アタック。しかし、ここのイワナは草食系男子なのか全然食いついてこなかった。まったく最近の男は意気地がないなぁ。
その後、難所を高巻き、雪渓を乗っこし進んだのだが、残念ながらアタリひとつ無し。完ボである。
今年は厳しい釣りが続くなぁ・・・。
でも魚が釣れなくても、全然平気。なんたって、アイドルsayaちゃんと一緒だから。
「sayaちゃん、そろそろ戻ろっか。」
「は〜い!」
どんな状況でも必ず釣る斉田さんも、今日はギブアップ。3人は渓を下り始めた。
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お、行くねぇ。
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真剣さがいいね。
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斉田さんはまったりと・・・。 |
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ここは巻かないと行けないな。 |
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なかなか釣れないけど、めげない彼女。
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う〜ん、ダメだ・・・。
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居そうなんだけど。
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朝日が眩しい。
オジサンにはsayaちゃんの若さが眩しいよ。
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雪渓が現れた。
早くもこの先は埋まってるんじゃないだろな。
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崖から滝が流れ落ちている。 |
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沢慣れしてるだけあって、確かな足どりだ。
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人間なんて、ちっぽけなものだなぁ。
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家ほどもある大岩が転がる渓を釣る。
こんな厳しい環境にイワナたちは生きている。
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雪渓を巻く。
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良かった、とりあえず流れは見える。
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滑らないように慎重に。
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崖の途中から水が噴き出していた。
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釣れなかったね。
残念だけど、そろそろ戻ろう。
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雪代の重たい流れ。
転ばないようにね。 |
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しかし、魚が釣れなくても別の楽しみがある。冷たい流れを何度か渡渉しながらも、目は山菜を探す。
「あ、山ブドウ見つけ!」
「山ブドウ? 美味しいんですか?」とsayaちゃん。
「うん、新芽を天ぷらにすると、甘酸っぱくて美味しいよ。」
とちょっと自慢げに解説する。
足元に目をやると、そこには良型のウドがウジャウジャ。
こっちも見過ごすわけにはいかないな。
3人で夢中になってウドを掘る。
コゴミは残念ながら開ききっていて、ちょっと遅かった。
あとはフキノトウが少々。
ウドがたくさん採れたので、それだけで満足!
車に戻って、集合場所の秋山郷萌木の里を目指した。
女子会編に続く
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いいの採れたね〜。
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山菜採りが止まらない。 |
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新緑がまぶしい。
生命満ち溢れる山。 |
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山の恵みに夢中になる女子。 |
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