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  上越の渓
  2015/03/07


  斉田、福田、高野






Text & Photo : 高野

前回の釣行に続いて、今度もまたスノーシューフィッシングに行ってきた。
今度の渓は前回と違って、マジの雪国。積雪も2mはあると思われ、スノーシューの活躍が期待される。
当日は福ちゃんが5時半くらいに迎えにきてくれることになった。
福ちゃん、ありがとう!

斉田さんを先に拾った福ちゃんの車に乗車して、雪国を目指す。
東松山ICから関越道に入るが、いきなり混んでいる。雨もパラパラ降っているのに、なんでこんなに混んでいるのだろうか。
スキーシーズンも終盤だからかと思ったが、それにしてはスキーを積んでいる車は少ない。
最近はスノボーが多いから、車内に積んでいるのだろうか・・・。
その後も駒寄辺りで渋滞に巻き込まれノロノロ運転となりながらも、その先からは快調に流れ出して遅い時間に車止めに到着した。

現場に到着するころには幸い雨も止んで、釣りには支障なさそう。
前回のような青空が広がってくれたら、写真の見栄えもいいんだけどなぁと心の中で思いながら、支度をした。

林道のゲートから先は全く除雪されていない。だから目の前には雪の壁がある。
そいつをよじ登って、一面雪に覆われた林道を歩きだした。
まずは渓流釣り師の大好きな上流部を目指す。いつも思うけど、どうしてみんな上流に行きたがるのだろうか。
やっぱり上流部のほうが渓相もいいし、いかにも渓流釣りって感じだからだろうか。
そう思いつつ、結局自分たちも同類なので、ついつい上流に向かってしまう。

今回もまたスノーシューを装着。福ちゃんは和式のかんじきを使用。
新雪でもないので、わりと雪は締まっていて、どちらでも大きく沈むことはなかった。

林道にはここ数日以内と思われる足跡が続いていた。だが前回のように当日早朝に入ったものではないので一安心。
3人は川の様子を見ながら、ゆっくりと歩いていった。
埋もれたカーブミラーや川岸の様子からすると、やはり積雪は2m近くあるようだ。
雪庇が川に張り出しているので、あまり近づきすぎるとヤバいことになる。
寒中水泳はご免こうむりたい。

林道にはたっぷり雪が積もっていた。
スノーシューが無ければ、膝まで潜ってラッセルになってしまう。


標識があんなに埋もれている・・・。
この辺りは比較的、川が開いていた。
様子を見ながら上流へと向かう。
1時間半くらい歩いたら竿を出そうと決めていたのだが・・・。


この積雪量は半端じゃない。
2mほどあるだろうか。


ある程度歩いたところ、川が見えなくなってしまった。そう、全部雪に埋もれているのである。
この時期、まだ上流部は無理?
どうにか口を開けているところに斉田さんがエサを入れてみる。
しかし、アタリは全くない。
次に福ちゃんがフライを振り込む。が、やはり結果は同じ。
全部埋まっているような所には、イワナもいないのだろうか。
しばらく遡ってみたが、いいポイントは見つからなかった。
3人で話し合った結果、下流にくだってみることになり引き返す。
それにしても下りは楽である。深い雪の上でスノーシューを履いていると、思いのほか脚に負担がかかるのだ。
スタスタ歩いて、良さそうなポイント発見。
自分も竿を出してみた。
すると下流で竿を出した斉田さんが叫んでる。
「釣れた〜。」
「釣れたの? サイズは?」
「6寸くらい。小さいよ。」
初物だから福ちゃんに写真を撮ってもらっている。

とりあえずイワナがいるのはわかったので、みんなのテンションも一気にアップ!
やはり流れがあって水深もあるところがいいようだ。
ちょっと下流におあつらえ向きのポイントを発見。
小さな落ち込みの下が深くなって、流れの緩い所もある。
何度か降りこむと、明確なアタリが来た。
クククッというアタリで合わせたが、すっぽ抜け。
「あ〜、早かったか!」
また来るかと思ったが、もう反応がなかった。

斉田さんも、アタリがあっても鉤がかりしないと言っている。
するとまた斉田さんがゲット。
今度も6寸くらいのイワナ。真黒に錆びている。
「かなり待ったのに口に掛かってるよ。いつもの調子で合わせるとダメだね。」
なるほど、さっきのじゃ早すぎだったのか。次はもう少し送り込んで待つとしよう。

まるでワカザギの穴釣り?
福ちゃんはフライで。
この時期、毛鉤でも釣れるのだろうか?

雲が低い。
今にも雪が降り出しそうだ。



























 やはり下流のほうが竿を出せる。

福ちゃんも攻める。
どこまでが雪庇かわからないので、あまり前に出られない。


























斉田さん、2尾目。   
真黒なイワナだった。   

他のポイントに竿を出してると、もっと下流で一人で釣っていた福ちゃんが戻ってきた。
「釣れました!」
「どれどれ?」
「8寸ありましたよ!」
と嬉しそうにiPhoneを見せてくれた。
「お、デカイじゃん!」

画面にいい型のイワナが写っている。
いいなぁ〜、うらやましいぞ。
この型が出てくれたら、申し分ないな。

この寒い雪の中で、フライで釣れるんだ。
「フライでも釣れるんだね。」
「実はインジケーターに食いついたんですよ。」
「マジ? よく毛鉤に掛かったね。」
「インジケーターに食いついたから、スーっと引いて掛けました。」
と,、こともなげに言う。
いやぁ、それでフッキングさせるとは大したもんだ!

これで釣れてないのは自分だけだぞ。ちょっと悔しい。なんとか1尾、小さくてもいいから釣りたい。
そう思って、積った雪もなんのその、釣り下りながらポイントを探して竿を出していく。
ただ、雪が被っているので手前側の流れがどうなっているのか、わからないことも多い。
こういう釣りもなかなか難しいものだ。

福ちゃんの釣った8寸。
いい型のイワナだ!



見よ、この積雪!
イワナたちは、なんと過酷な環境に生きていることか。
いや、もともと北の魚。人間が思っているほど過酷じゃないのか。

大岩の間を縫う流れにポイントを探しながら行くと、ここなら間違いなくいる!という絶好の場所を発見。
慎重にエサを投入すると、流れる目印が止まった。
軽く聞き合わせくると、クククッっとイワナ特有のアタリだ。
さっきは早すぎたから、ここは少し待ってガツンと合わせた。
一気に抜きあげると、良型が宙を舞う。

雪の上に横たわったイワナにメジャーをあてると24cm。
8寸のいい型のイワナだった。
そして今まで釣れたのと違って、全く錆びていない。
色白の美人だ。
この型が1尾出れば満足だ。

その後、もう少し下流までやったが、誰にもアタリがなかったので納竿とした。

気がつくと林道との落差が大きくなっていた。
深い雪の斜面をよじ登って林道に復帰する。
下り坂というのもあったが、足どりが軽かったのはそれだけの理由では無かったのは言うまでもないことだった。

今年は源流に入れるのはいつになるだろうか。始動が早かったからか、待ち遠しくてしかたがない。

やったぜ8寸!。

まったく錆びてない。
色白の美しい姿だ。

さらなる釣果を求めて。

いいポイントなのだが、留守のようだ。

だいぶ下ってきたので、ここら辺でお開きとした。
林道によじ登るのも一苦労。

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