杣道を進んでいくと、道がきえてしまった。全員で道を探していると赤布が見つかり、安堵して前に進むが杣道とも言えないような獣道である。2度目に来た時から5年ほどたっていることもあり、道が消えてしまうほど入渓者も少ないのだろうなどと思いながら、いつものランドマークにしている池塘を横目に1時間ほど進んだ。だが、本来見えてくるはずの支尾根のピークが見えてこない。
さらに進もうとしたところで支尾根がかなり先まで下っているのが見えて、道を間違えてしまっていることにやっと気付いた。しかし、どこで間違ったか見当がつかない。斉田さんが、ガーミンで位置を捕捉しようとしているのだが、いうことをきいてくれない。
本当のところは焦る気持ちによって、自分たちの位置を認識できていなかったのである。喧々諤々の末、目的の方向とは真逆の方向に進んでしまったことをやっと認識。例の赤布に騙されて、間違った方向に進んでしまったのである。 |
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いつ降り出しても不思議のない曇天の空
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来た道を戻り、約30分程で赤布の場所まで戻った。方位を確認し、杣道を探しながら進む。水もなくなり焦る気持ちが、再び下る支尾根を間違させてしまった。
すでに8時間を経過。雨が天気予報より早く降ってきた。歩き辛い支尾根をあきらめ、ルンゼから涸れ沢に降りる。涸れ沢を降り始めると、天の恵みか、湧水が流れている。言わずもがな、全員がこの恵みで喉を潤した。
落着きはしたが、疲れはピーク。重い足取りで小沢を降りる。途中、軽く休憩をとりながら、何とか本流までたどり着いた。心配していた川への降り口は7m程の岩場であったが、よく見ると下流側に斜めに降りて行けそうである。滑りそうなので、シュリンゲを立木に括り付け、補助ロープを使って降りていく。20分程かかったが、全員が河原に降り立つことができた。
この後5分ほどで目的のテン場にたどりつく。車止め出発から約10時間。4時前にヘロヘロになって、やっとテン場に着いた。とにかく長かった。
テン場を設営すると雨も強くなってきたため、釣りはあきらめビールで乾杯。その流れでタープの下で夕食の支度となった。
豚しゃぶとラーメンを胃袋に詰め込む。さすが板長、高橋さんが作るものは、どれもうまい。(いつも、調理していただいて、ありがとうございます。)
ほろ酔いだが、極度の疲労のせいで睡魔に襲われる。全員が間もなく、眠りの淵に落ちていった。
2日目は、前夜の雨が嘘のように晴れ渡った。絶好の釣り日和だ。
川に降り釣り始めると、直ぐに斉田さんが9寸のイワナを釣り上げる。今回の釣行では、尺上の魚しか写真に収めないと決め、そそくさと釣り上がる。魚の出方が幾分鈍かったが、ほど無くして斉田さん、高橋さんと立て続けに尺上をキャッチ。2人とも満面の笑みである。 |
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斉田さんが釣り上げた36cmのイワナ
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高橋さんも34cmのイワナを
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ほどほどの大岩の前を私が探っていると待ちきれなかったのか、高橋さんが直ぐ上の程よい落ち込みを釣りたいと言ってきた。快くOK。高橋さんが振り込むと、1発でキター!。
大きそうなので見物していると、上流に向かって泳ぐ魚体がかなり大きいと見て取れた。40cmはあるだろうか。暫し、やり取りをしていたが、下流に走られてバレテしまった。高橋さんが悔しがったのは、言うまでもない。
聞けば、先に釣った34cmも高橋さんのレコードとのこと。それを優に超えているとなると、多少動揺があったのであろうか。 |
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崩れた雪渓
初回の同じ時期に来た時は、高さ15m以上はあったであろう大雪渓があった場所
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崩れた雪渓を慎重に越える
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まだ、尺を上げていないため、大場所を譲ってもらった。ほど無くして魚信が。
大きさを感じない引きで水面まで上がってくると、優に尺上サイズ。上げた後にメジャーをあてると38cm。久々の大物を上げることができた。 |
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私も、久々の38cmの大物に喜ぶ
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斉田さんにも、38cmがキター
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2本の38cmを見て、燃える高橋さん
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その後も尺上が釣れるのだが、38cmを超えることはなかった
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きわどい雪渓
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崩れた雪渓に乗っていたのであろう自然の一本橋を渡る
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釣りはこの先の滝までと決めていたこともあり、この辺で戻ることに。
この後、燃える高橋さんのために過去37cm実績がある滝に同行したが、31cm止まりであった。
釣りに満足すれば、次はビール。うまい! 釣果が良いからなおさらうまい!
今日の夕食は、数種のパスタ。アヒージョ、枝豆、オイルサーディンで酒が進む。
その後は、お決まりの焚火を囲んで、くつろぎの酒をあおる。
かすかに光る星を見上げながら渓の夜が更けていった。
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今夜の夕食も支度してくれる高橋さん
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煩悩燃やす焚火
止められない
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