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  新潟県 早出川 割岩沢
  2015/09/19〜21



  宮川智行、斉田昌男、高橋秀一、平澤章弘、
  福田克雅、吉田雅樹、高野智





Text & Photo  : 高野

シーズン中はそれなりの回数、そこそこ有望な渓に行っているのに、なぜか尺物に縁が無い釣り人っていませんか。
宮川さんもそんな釣り人の一人です。
源流釣り歴はまだ2年そこそこですが、渓道楽に入会してから月イチのペースで源流に通っています。
でもなぜか、尺イワナを釣ったことが無いのです。
私「お! 今度のは結構大きいんじゃない?」
宮ちゃん「尺、ありますかね!」
私「どれどれ、測ってみようか・・・。あ〜、また29cmだよ・・・。」
宮ちゃん、がっくりと肩を落とす。っていうことは何度もありました。
そんなことから会員の間では、29cmは宮ちゃんサイズという言葉が浸透してます。

29cmまでは何度も釣りあげるのに、あと1cm、いや5mm尺に届かない。
5mmくらいだったらいいじゃないの、そんなのちょっと引っ張れば尺だよ。と私なんかは思うのですが、
宮ちゃん、それじゃ納得できないようです。
是が非でも、1尾は完ぺきに誰がどう見たって尺イワナ!っていうのを釣りたいみたいです。
その気持ちもわからないではありません。自分も以前はきっちり尺ないと、がっかりしてましたから。
1cmや5mmくらいいいじゃんと言えるようになったのは、何十尾も尺を釣ってからのことですから。

そんな宮ちゃんは背も高く、なかなかのイケメンだと思うのですが、イワナにはモテないのはなぜか・・・。
背も低く、ぜんぜんイケメンじゃない私だって、尺イワナは年に数尾はお持ち帰りできてます。
人間相手だったら間違いなく宮ちゃんが勝ち組、私は負け組のはずなのに。
決して宮ちゃんの腕が悪くて、私の釣りが上手いわけではありません。極々普通の釣り人ですから。

さて、今シーズンも9月も半ばを過ぎ、いよいよ終盤という時期になりました。
最終釣行で宮ちゃんになんとか尺を釣ってもらい、みんな笑顔でシーズンを締めくくりたいというのが会員たちの願いです。
そこで我々が選んだ渓は、早出川。
早出と言えば、源流釣りを愛する人ならば知らぬ人はいないほど有名な、ガンガラシバナとジッピという名勝がある有名な渓。
今回は割岩沢を釣り上がり、ジッピまで行こうという計画となりました。
早出ならば宮ちゃんにも尺の1尾くらい出るのは間違いないでしょう。いや、出ると思います・・・。うーん、出るといいなぁ。

早出川は新潟県の川内・下田山塊の岩山を削って流れ下ります。そこには何万年、いやもっと前からの地層が折り重なり、圧縮されて圧巻の景色が広がっています。
以前来たのは2008年ですから、もう7年も前のことです。人にとっての7年は長いですが、早出川にとっては瞬きするほどの一瞬なのでしょう。
2台の車に分乗して到着した深夜の車止め。星の瞬く空の下、乾杯の後、ひと眠りです。もちろん早出へのルートはメジャーな一ノ俣越です。

眠い目をこすりながら着替えして、出発しました。毎度のことながら、歩きだしはハーハー息が切れてきついです。
一ノ俣沢に入り沢通しで登っていくと、後から沢登りのパーティーがやってきました。
ありゃりゃ、これは宮ちゃんにとって悪条件が一つ増えちゃいましたね。沢屋さんたちが歩いた後では、どうしても釣果は落ちます。
はたして宮ちゃんの尺越えなるか。

一ノ俣乗越しを行く

そんなことをみんなで心配しながらも、セミ滝を左から登りどんどん行きます。
途中ちょっと道を間違えましたが、無事に今早出沢に到着しました。
割岩沢へはここから今早出を下って行くのですが、先ほどから降りだした雨のせいで流れが増水していました。
一緒に下ってきた沢屋さんたちは私たちと同じく割岩沢へ行くそうなのですが、増水してるので今日はここに泊ると言ってます。
我々もこの増水の中を今出まで行くのは難しいと判断して、ここに泊って割岩へは明日ピストン釣行することとしました。
そうなると明日は沢屋さんの後を追いかけながら釣ることになってしまいますが、仕方がないですね。
テン場は今早出をちょっと遡行した右岸の高台。以前にも泊ったところですが、しばらく誰も利用していないのか前より狭くなってました。
7人で泊るには狭かったので、ちょっと拡張して寝場所を確保です。
今日は疲れてるしひと眠りして宴会モード。板長の高橋さんの作ってくれた美味い鍋を囲んで盛り上がりました。
さあ、明日は割岩沢へとピストンします。宮ちゃんの尺への期待が高まります。

セミ滝を越えて
雨で増水し停滞

明けて翌日、目が覚めたらさっそく水量のチェックです。よかった、減水してます。
これで安全に遡行できますね。
となればすぐに着替えて割岩目指して出発です。

二条の滝、坊主へつりと快調に抜けて割岩沢の出合いにたどり着きました。
初めてみる割岩沢。出合はさほど水量もなく瀬になっています。割岩沢は多くのメディアで紹介されていますが、何箇所か泳ぐ箇所もあります。
この水量でそんな大場所があるのかなと思えるような流れでした。

では、ここから待望の釣りです。
それぞれが仕掛けを繋ぎ、第一投します。
あれ、誰も釣れない・・・。
やっぱり沢屋さんが歩いてるせいでしょうか。
めげずに上流へと進みます。ほんとはジッピが見たかったけど、今早出のテン場からのピストンでは時間的に無理そうなので釣りに専念します。
そのほうが宮ちゃんも尺に出会える可能性もあがるでしょう。

ぼうずヘツリを行く宮ちゃん

割岩沢出合に着いた

早速テンカラを振る高橋さん

まずは平澤さんに良型が来ましたよ。
8寸くらいですね。8寸だったらとっても良いサイズなんですけど、秘境割岩沢ですからもうワンランクのサイズアップがほしいです。
でも、イワナがいて食ってくることがわかると釣り人の活性もあがりますよね。
みなさん、真剣釣りモードです。
高橋さんがテンカラ、福田さんはフライ、吉田さんがルアー、残り4人は餌釣りと、あらゆる釣りで探っていきました。

しばらくするとかなりの深場が現れました。やはり割岩沢、楽しませてくれます。
でも流れが緩いからあっさりと通過。
その後も胸まで浸かっての遡行を繰り返ながらも、釣り上がるにつれてアタリも増えて、みんなの竿に良型が掛かります。
そしてついに宮ちゃんに良型が来た様子です。
下流から見ていると竿が弧を描いてます。
これはもしや・・・と駆けつけますが、残念ながら9寸ないくらいのサイズでした。
うーん、残念!

この辺りから少し渓相もおだやかになり、まったりと竿を出していけました。
さあ、私もそろそろカメラから釣りに比重を移していこうかな。
竿を伸ばしてブドウ虫をつけ、流れに仕掛けを投入します。
するとすぐにクククっというイワナのアタリ。少し待ってアワセると綺麗なイワナが水面を割って出てきました。
これも8寸から9寸くらいの良型です。ヒレの大きな源流イワナでした。
続いて吉田さんのルアーにもいいのが来ました。
これは9寸オーバーの肉付きのいいボディーのイワナちゃん。美味しそうですねぇ。じゅる(笑)
釣りあげた吉田さんもいい笑顔です。

その後は斉田さん、平澤さん、福田さんと順番に竿を出し、いいテンポで釣り上がりました。
しかし、高橋さんだけが調子が悪いようで、ボウズです。フライに出てテンカラに出ないことはないのだけど。
そしてまたまた宮ちゃんの竿が曲がってます。宮ちゃん、調子いいです。
このぶんなら尺越えも期待できます・・・、期待でき・・・。あれ、何尾釣っても8寸、9寸です。
まさか今回も。
他の人が誰も尺をあげてないのもマイナス要因です。
たいてい、誰かしら尺を釣るんですけど。

そんなこんなで、そろそろ戻る時間になってきました。夕沢出合のちょっと手前まで来ています。
帰りは本流を釣りながら帰る予定なので、そろそろ戻らないとテン場に着く前に暗くなっちゃいます。
宮ちゃんが尺をあげてないので、まだもう少しという気持もありますが、帰りの本流に期待したいところです。

本流出合まで戻る途中で左岸から入っている沢へ、宮ちゃんが竿を出してみました。
出合は深くなっていて魚がついていそうです。
そっと近付き竿を出す宮ちゃん。でも、アタリはありませんでした。
奥に見える滝下へ竿を出すために胸まで浸かって、沢に入ります。
いかにもいそうな場所でしたが、残念ながらイワナは留守のようです。


























割岩の第一号は平澤さん


























良型だ

毛鉤にはなかなか反応がない

深場を突破する、よっちゃん

























宮ちゃんに来たぞ!
尺あるのか?

残念・・・宮ちゃんサイズ(^_^;)

苦戦する高橋さん

私にも割岩の恵みが!


























よっちゃんのルアーにも出た!


























また宮ちゃんに来たぞ!


今度は斉田さんだ
次々釣れるイワナに、笑みがこぼれる


























そして、またまた宮ちゃん
絶好調!
なのだが、いかんせんサイズが
全部、宮ちゃんサイズ

福ちゃんもフライを振る
私も釣ってるよ

支流へと突入する宮ちゃん


























一つ目の滝下には
良い型のイワナが入ってることが多いのだが・・・

時間切れで本流出合を目指す

さて、急ぎ足で本流出合まで戻り、釣り上がりながら帰ります。いつもテン場に帰るときは沢を下って行くので、今回はちょっと得した気分です。
朝方歩いた流れですが、けっこう時間も経ってますから警戒心も解けたようです。
ここで不調だった高橋さんに、いいのが来ました。よかったですね、高橋さん。
さ、これでみんな満足して帰れ・・・ないですよね。肝心の宮ちゃんにまだ尺が来てません。
宮ちゃん先行で釣ってもらいましたが、今回も残念ながらダメでした。
1尾釣れちゃえば、けっこう釣れるものなんですけど・・・。
きっと次は出るよ、ガンバレ宮ちゃん!

二条の滝が見えてきて、もうすぐテン場です。
今夜は早出最後の夜です。
釣ったイワナをさばいて、刺身、塩焼き、イワナカツと次々料理が並びます。
焚き火を囲んでの宴会は釣りと並ぶ源流の楽しみです。
源流には、夜が更けるまで仲間たちの歓声が響いていました。

この文章を書いているのは2016年も5月に入った時期です。今年こそ宮ちゃんに尺を釣ってもらうべく、今後の釣行を計画していました。
まずはゴールデンウィークの源流行から、宮ちゃんも行く予定だったのですが・・・
宮ちゃん、まさかの頸椎ヘルニア発症でキャンセル。本人が一番がっかりしていると思います。
でも大丈夫、尺イワナはいなくならないから。早く治して尺を釣りに行こうよ、宮ちゃん!

本流を釣り上がってテン場を目指す
帰りも釣りができるなんて、なんだか得した気分





























宮ちゃんガンバレ!


だんだんとテン場に近付いてきた



























高橋さんに待望の1尾が!
翁の渓語りに耳を傾ける


毛鉤をくわえる無垢なイワナ

























福ちゃんにも本流のイワナが来た



























竿を仕舞ってテン場へ急ごう

美しい二条の滝

定番の鍋とイワナフライ


























締めはやっぱり盛大な焚き火

見上げれば秋の空
左から吉田さん、斉田さん、高橋さん、平澤さん、福田さん、私、宮川さん


登り切って一休み
あとは下るだけだ



名残惜しい早出川 割岩沢

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