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  北関東の沢
  2016/08/23〜24



  高野(父)、高野(子)





Text & Photo   : 高野

昨年、息子は高校受験だったので釣りに誘うのは遠慮しておいた。受験といっても勉強嫌いな息子だから、真面目に受験勉強などしてなかったのだが・・・。
それでもなんとか高校に入れたので、今年は釣り解禁。
8月後半なのでアブがいる新潟や東北は敬遠して、北関東の小渓に行くことにした。

高校生ともなれば親父よりも体力もあるだろう。運動嫌いな息子だが50過ぎのオッサンよりも強くなっただろうから、それなりの荷物は背負ってもらうこととして、2つのザックをパッキングした。
まだ自分ひとりじゃ用意できないのが面倒なところ。2人分の準備には倍の時間がかかるんだよなぁ。
少しずつ一人でできるように教え込まないと・・・。

道に迷いながらも無事に渓に到着。ホッとして冷たい渓水で汗を流す。
ここは踏み跡もあまりなく、迷いやすい渓なのだ。

























テン場まで行く間にも竿を出す。
ここは入渓地点からでもよく釣れるのだ。
早速、良型が竿を絞る。

ザックを下ろしタープを張ったら、身軽になって釣りあがる。
早速、アタリ。
来た来た、これも良いイワナだ。

























そして連続ヒット。
こいつは体長はあるけど、
ずいぶん痩せている。

綺麗なイワナでしょ。
翔平と交代して私も釣る。

たいした時間は釣ってないが、2人きりだから無理して遡行しなくても、じゅうぶん満足する釣りができる。
ガツガツ釣らずにテン場でのんびりしよう。

遡行を早めに切り上げた理由がもう一つ。実は深刻なことが起きていた。
なんと翔平の沢靴が劣化してソールがベロンと剥がれてしまったのだ。
最初はつま先部分だけだったのでピンソールを付けて固定していたのだが、症状は徐々に進行して、釣りあがっている最中に全剥離。
これは大ピンチだよ。

靴のサイズが違うから私と交換することもできない。
ピンソールを持っていたから良かったものの、無かったらソールを固定することは不可能だっただろう。
ガムテープだけでの固定じゃ絶対無理。すぐにまた剥がれてしまう。
ピンソールがあって、ホントに助かった。

だが、その優れもののピンソール。なんと製造中止になってしまったのだ。
2016年の秋にそれを知り、慌てて作者の竹濱さんに連絡して新品を一つ手に入れることができた。それと、今まで使っていたのもガタがきていたので修理してもらい、なんとか2つ使用可能なのをキープした。

ピンソールを愛用していた源流マンはきっと多かったと思う。
チェーンアイゼンは各社からたくさん出ているが、外れやすいものばかりでイマイチである。
ピンソールは瀬畑さんが開発に携わったので、ハードな山道でも外れることなくサポートしてくれたのに・・・。
とっても残念である。

さて、そんなこんなでテン場に戻ったところで、魚をさばく。
翔平に食べさせてあげようと、今回は2尾だけキープ。
1尾は刺身に、もう1尾は焚き火で塩焼きにした。

テン場に戻って一休み。

早速、焚き火をおこす。
板長の高橋さんのように上手にはさばけないが、なんとか刺身を作って食べさせた。
美味そうに食べてもらえて、ちょっと嬉しい。


























シラヒゲソウの
可憐な花が咲くテン場。

夜に少し雨が降ったが、朝には上がっていた。
疲れたのか、なかなか起きない翔平。
壊れた靴で山道を歩けるかが心配だ。


森の中のテン場。

右足はこんな状態。
細いシュリンゲで縛り、その上をガムテープ、グルグル巻き。
さらにピンソールとピンソールミニのダブルで固定した。












帰り道、またまた踏み跡を見失い、
ルンゼの中を探し回る。

テープを見つけたのだが
垂直の岩場を登っている。
高所恐怖症で
経験も浅い翔平には無理と判断。

さらに道を探し、
なんとか正規の踏み跡に戻れた。

これで難所は突破した。
あとは緩やかな森を下るだけだ。

靴もなんとか大丈夫で一安心。

道を探している間に
ブヨの猛攻を受けた翔平。
「もうここには来ないからね」
だって(笑)

「ここには」だから別の渓には
行くってことね。
さて次はどこに行こうかと考える父であった。

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