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彼の眼には初源流がどう映るのだろうか。
素晴らしい思い出を持って帰ってもらいたい。
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不明瞭な踏み跡を辿る。
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ん? 道はどっちに行ってる?
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清らかな流れを前に、ザックを下ろして一休み。
渓に出てしまえばテン場は近いのだが、そこまででも結構良いポイントがあるので釣りながら行く。
目の前は滝になっていて、すぐ下はプールだ。
ここには、いつも必ず良型が居ついている。
まずは斉田さんが試し釣り。
すると期待にたがわず一発でイワナが出た。大きさは7寸と小ぶりだったが、イワナは健在だった。
そこで次に吉川さんに竿を出してもらった。
吉川さんは里川での渓流釣りの経験はあるということなので、振込みは問題なくできている。
手前駆け上がりから釣るようにアドバイスして、カメラを構えた。
一発で来てくれたら素晴らしいんだけど・・・。
ウーン、さすがに難しいか。
そして再び斉田さん。左の流れに仕掛けを流す。
するとグンッと竿が絞られた!
「おっ、けっこうデカいよ、これ。」
斉田さんが叫ぶ。
なんと尺一寸の良型イワナだ。入渓点で尺一寸かよ!
まあこの渓なら出ても不思議じゃないけど。相変わらず斉田さんの釣りは安定している。
これを見て俄然張り切る吉川さん。
再び同じポイントに竿を出すと・・・
「き、来ました!」
今度は吉川さんの叫び声がこだまする。
直後、彼の手には9寸はあるイワナが握られていた。
やはりこの渓は素晴らしい!! |
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まずは吉川さんが第一投。
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さすがにいきなりは釣れなかった。
斉田さんが投げ込むポイントを教える。
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斉田さんがお手本を見せると・・・。
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ほら、釣れた!
ってデカイよ、それ!!
いきなりの尺一寸。相変わらず安定の上手さ。
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吉川さんにも来たよ〜。
9寸はあるんじゃない?
満足そうな顔してるねぇ。 |
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テン場までの好ポイントを探る。
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我々3人は、はやる気持ちを抑えて釣り上がった。
何しろいきなり尺一寸を見てしまっているのだから、平常心ではいられない。
テン場は近いが、そこまでも釣れるのでザックを背負ったまま竿を出していく。
テン場に着くとすぐに荷を解き、手慣れた手順でタープを設営。
初めてで戸惑う吉川さんに指示しながら、テン場が完成した。
「よっしゃ、じゃあ行きますか!」
身軽になった3人は足取りも軽く上流へと向かう。
この先には斉田さんと2人で入れ食いになったポイントがあるのだ。
そこまで行く手前も、もちろん外せない。
そしてすぐに斉田さんが9寸。そして写真ばかりじゃ辛抱たまらん自分にも8寸!
次々に掛かるイワナにみんなテンションMAX!
もちろんイワナだけじゃなく、景色も素晴らしい。
黒部のような大迫力の絶壁でもなく、東北のようなおだやかな森でもないが、ここ北関東もなかなかどうして美しい眺めである。
今まで数多くの渓に行ってきたが、どこもそれぞれ甲乙つけがたい美しさがあるものだ。
そして、我々以上に初めての源流に感激しているのが吉川さん。
見たこともない澄んだ流れに身を浸し、嬉々として竿を振っている。
そんな彼に渓の女神が微笑まないわけがなかった。
彼の竿にも次々とイワナが掛かる。
そして例の入れ食いポイントに到着。
前ほどじゃなかったけど、やはり期待を裏切らない場所だった。
斉田さんが良型を上げた後、吉川さんにアドバイス。
「そこ、大岩の下に仕掛けを流し込んでみなよ。」
「え、そこですか?」と吉川さん。
斉田さんの言う大岩とは、ホントに目の前も目の前。
自分たちが立っている所から、2mもない位置のことなのだ。
いやぁ、いくら釣れるといったって、すぐ前に立ってガヤガヤやってるとこじゃ、いくらなんでも釣れるわけ・・・
「え〜! え〜! マジで?」
あっという間に吉川さんの竿先が引き込まれた。
え〜! ウソだろ???
大岩の下から引っ張り出されたイワナは、一目で大きいとわかるサイズだった。
興奮する吉川さんを落ち着かせ、メジャーを当てたら、なんと30cm!
おいおい、源流初めてで尺イワナかよ!
この男、持ってるのか!
今年の7月、何度も何度もあちこちの源流に通って、そしてようやく尺イワナを手にした宮ちゃん・・・
君は持ってないのかも(^^;
でも、翌日には尺2寸を釣ってるんだから、やはり持ってるよ。
私や斉田さんは尺イワナを釣るまでに何年かかったことやら・・・。
「おめでとう!」
オジサン2人に祝福された吉川さん。とっても嬉しそう。
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今夜のお宿。
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