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  山形県朝日連峰の渓
  2017/09/02-03



  斉田、平澤、高野





Text & Photo   : 高野

クネクネと曲がりくねった真っ暗な林道を走ること1時間。
ようやく車止めに到着したのだが、ヘッドライトに浮かび上がったのは先行者の車だった。
くぅー、ここまで6時間も掛けて来たのに・・・。
ここに停まってるということは、まず間違いなく同じ渓に入るのだろう。
車から降りてきたのは釣り人で、案の定私たちの目的の渓へ入るとのことだった。
彼のほうが先に来ているのだから、仕方がない。ここは我々があきらめるしかなかった。
さてどうする。
ここで斉田さんから
「尾根越えで別の支流に入ることができるから、そっちにしましょう。
ここに比べたら小さい沢だけど、釣れると思うんだよね。」
さすが斉田さん、よく研究してるなぁ。
全員一致でそちらに転戦することに決定して、Uターンして先を急いだ。

ナビと斉田さんの地図を照らし合わせて、入渓地点を探す。
全くと言っていいほど情報のない渓だったから、おそらく踏み跡も無いに等しい。
ここだろうと思う場所を見つけることができて、一安心。
軽く乾杯して夜明けまで仮眠した。

準備を整えた我々の目の前には、小さな沢が流れている。ここを登って尾根向こうの川を目指すのだ。
標高差は300mくらいだろうか。ま、三峰川の標高差1000mに比べたら屁でもない・・・。
はずだったけど、やっぱり楽じゃなかったなぁ。


道なき道を行く。
ようやく先が明るくなってきた。

沢を詰め、やがて水が枯れ、ひたすら斜面を登る。
息を切らせながら尾根に到着。
尾根は美しいブナの森だった。


























休憩もそこそこに、
今度は目指す川に向けて斜面を下る。

無事に到着して、まずは乾杯〜!
風が良く抜ける、乾いた良いテン場を見つけた。

美しいブナの尾根を越え渓へと下る。下りも道なんてものはなく、窪地を下っていくと流れに出た。
テン場探しに手こずり、上に行ったり下に行ったりして適地を発見。
テン場を作ったら早速釣りに出発する。
「こっちの渓も釣れるといいなぁ。」
「人の入った形跡もないみたいから、きっと釣れるよ。」
などと言いながら、仕掛けの準備。
竿に仕掛けを繋ぎポイントに振込む。
いつも思うけど、この第一投のときの期待と不安の入り混じった感じが大好き。

最初に竿を出す瞬間の緊張感がいい!
型は小さかったがすぐに岩魚が釣れた。
白っぽい体色の綺麗な岩魚だ。

良さそうなポイントが連続する。
平澤さんの毛ばりにもヒット。
大きな滝は無いが、いかにもなポイントの続く釣りやすい渓相だった。
巻きも無いし快適だ。



























ミニゴルジュのようになってきた。

日差しが差し込む明るい渓。
それでも9月ともなると、少し肌寒い。

清冽な流れに岩魚が躍る。

木々の青々とした葉を通して、爽やかな陽光が降り注ぐ渓。
もうしばらくすれば、青葉も色付くのだろう。

これは7寸くらい。
もうちょっと大きいと嬉しいんだけど。


平澤さんにも同サイズ。
ここのアベレージはこのくらいのようだ。

お、これはちょっと大きいかな。
こいつは晩飯用にキープした。

ここは居そうだったのだが・・・。
スローシャターでシルキーに・・・。
























こんなに良い天気なので
もっと釣っていたいのだが、
そろそろ時間なので、この辺で引き返すことに。
残念ながら大物は出なかったが、
いつものようにテン場でまったりしよう。


























今夜も渓に岩魚を焼く炎が揺らめく。
源流の夜はゆっくりと更けていく。


今日も快晴! 釣り日和。
もったいないから、昨日釣らなかった支流に入ろう。

支流でも釣っちゃいますよ。
はい、良型来ました。


平澤さんにも!



























ここは絶対いると思ったんだけどなぁ。
まだ上も釣りたかったけど、そろそろ帰る時間。

























落っこちないように、帰ります。
帰りもヒーコラ山越えです。

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