5月に入り、本格的な源流シーズンが近づいてきた。
今年の冬は雪が多いんだか少ないんだか、いろいろな情報があって判断できず。
例年なら静岡の大井川水系で雪の心配などせずに源流釣行を楽しむのだが、今年は山形に行ってみようということになった。
当初の予定では、女川源流部へ入るつもりで行ったのだが、真っ暗な中到着すると集落の先からすぐに雪に埋もれていて無理だった。
しかたなくあきらめたのだが、結果的にこれが大正解。
それについてはまた後程として、短い協議の結果、荒川に転戦!
荒川は通常なら登山口まで車で入れるのだが、さすがにまだ通行止めだった。
歩きはプラス1時間程度だろうか。
まあ林道だし、みんなでわいわい歩いていく。
今日の目的地は角楢小屋だ。荒川で有名なテン場は大玉沢出合だが、おそらくそこまで行っても雪に埋もれていると思われるのと、雪代次第では本流は遡行できず釣りができないだろうとの判断である。
|
冬季通行止めにより手前のゲートから林道を歩く。
|
|
雪代で増水した荒川本流。これじゃ遡行は無理そう。
|
|
ブナの根開き。
|
|
登山口に到着。
ご覧のように雪に覆われていた。
|
|
積雪で登山道を見失いがちに。
|
萌える新緑に見守られて。 |
|
角楢小屋前の吊り橋を渡りきる。
もう小屋は目の前だ。 |
|
小雨の降る登山道をてくてく歩き、山菜を採りながら3時間ほどで角楢小屋に到着した。
私にとって荒川上流へ向かうのは、1999年以来19年ぶりだ。当時、まだ30代半ばだったなぁ。渓道楽の仲間と大玉沢出合に泊って本流を釣り上がり、とても美しい尺岩魚を釣り上げたのだ。
そして鱒止めの滝上流をやろうとしたとたんに雷雨となり、大急ぎでテン場に逃げ帰ったのを覚えている。
本流はあっという間に水位が上がり、濁流となった。初めて見る自然の猛威に戦慄を覚えたものだ。
その釣行で角楢小屋の前を通りかかり、ここに泊まるのもいいなと思ったのを覚えている。
さて、小屋には着いたものの、雨が本降りになってきた。
そうなると出るのも面倒くさくなってしまう。結局、そのまま軽く宴会モード。
3時過ぎにようやく止んだので、カクナラ沢に水汲みがてら、竿を出すことにした。
本流はかなりの水量だったが、沢は良い感じ。
よっちゃんがルアーで、本流との出合でイワナを釣り上げた。
そして沢靴履いてやる気マンマンの斉田さんにも良型イワナ。
ちょっとだけ様子を見て、カクナラ沢はなかなか有望だねと明日に期待を持ちつつ小屋へと引き上げた。
|
角楢小屋
|
|
様子見にカクナラ沢に竿をだすことにした。
|
|
平澤さん
|
|
ケンちゃん
|
斉田さんが良型を釣り上げた。
こいつは刺身に。 |
|
その後も降ったり止んだりの不安定な天気だったが、角楢小屋は快適そのもの。
用を足しに外に出てみると、夜空には星が輝いていた。
「このまま止んでくれよ」
明日への希望を持ちつつ、夜更けまで宴会は続いた。
明けて翌日。昨夜の好天はどこへやら。角楢小屋の屋根を雨が激しく叩く音で目が覚めた。
「あーあ、また今日も雨かよ。」
とみんなが嘆く。
出ていくのをためらってウダウダしてると、やがて晴れ間が見えてきた。
「よっしゃ、行くか!」
すぐに支度してカクナラ沢へと繰り出す。
本流出合からじっくりと釣りながら行くも、芳しくない。
斉田さんがエサでイワナを引っ張り出すが、テンカラのケンちゃんとフライの福ちゃんは苦戦。
さすがにまだ毛鉤では厳しそう。
少し釣り上がるとやはり雪渓が出現。
一つ目を乗っ越し先に進むが、アタリが無い。
続いて二つ目の雪渓にぶち当たる。登ってみたがその先はずっと雪渓が続いている。
というわけで、カクナラ沢はあっという間に終了・・・。
ガッカリである。
全員ふてくされて小屋へと引き返す。
また天気が怪しくなってきたからだ。
こんなにも天候不順な釣りも珍しい。
|
いよいよ待望の釣り。
ルアーを引くよっちゃん。
|
|
おっと、やはり雪渓が。
|
|
一つ目の雪渓を越えて、再び竿を出すメンバー。
|
|
ついに日差しが!
よし、このまま晴れろよ。
|
|
あー、また雪渓が・・・。
この上流はずっと雪渓が続いていて、アウト。
|
昼飯後に私と斉田さんで、本流へとちょっかいを出しに行く。
吊り橋のたもとから偵察すると上流への遡行は無理そう。
でも、下流には左岸側に狭い河原がづいている。いったん山に入って下流に向かい、適当なところで降りれば釣りになりそうだった。
二人でブナの森を歩いて200mほど行ったところで本流に下降した。
本流は思ったほど雪代も入っていなくて水量は多くはなかったが、さすがに渡渉は無理。
それでも、そこから釣り上がるとポイントがけっこうあった。
まだ強い流れには出ていないだろうと思い、流心脇にできた穏やかな流れに餌を落とすと待望のアタリが来た。
じっくり待ってアワセをくれると、ついに良型の岩魚が。
前回の尾白川がボウズだったから、今シーズンの初イワナだ!
めっちゃ嬉しい!
とりあえず1尾出てくれれば、これで満足。
その後、もう一尾を釣り上げて小屋へと戻った。
|
角楢小屋下流の荒川本流。
昨日よりだいぶ水位が下がっていた。
|
|
本流を釣る私。
|
|
斉田さんも。
|
|
今シーズン初イワナだよ。
|
さて、小屋でまったりしていると、再びの大雨。すごい降りである。
さらには雷鳴が轟きアラレまで降り出し、おまけにものすごい風も。まさに荒天のフルコースとなってしまった。
こりゃたまらん。女川でタープ泊でなくて、ホントに良かった。そんなんだったら、大騒ぎだっただろうな。
まだ外は明るいけど、宴会以外にすることも無し。
暖かい小屋の中でストーブを囲みながら、ワイワイ騒ぐ。
小屋が暖まったからカメムシが次々に遊びに来るのが気になるが、次々と美味い料理が出て酒も話も進む。
あまりに快適すぎて、ここで暮らしたくなるほどだった。
|
ジャーマンポテト
|
|
ケンちゃん、料理中。
|
|
イワナの刺身
|
|
キリタンポ
|
|
ダウン着てるのがいると思えば、裸もいるし。
|
|
マンゴープリン(失敗作)
水入れすぎだよ(笑)
|
|
|
|
コシアブラご飯
|
|
|
|
アヒージョ
|
|
アラビアータ こごみ入り
|
|
ポトフ
|
|
麻婆豆腐
|
全員が寝静まった真夜中のこと、いきなりバタン!とものすごく大きな音が響いた!
強風で小屋の屋根が吹き飛んだかと飛び起きたが、そうではない様子に一安心。
斉田さんも驚いて体を起こしてキョロキョロ。
ビックリしたー。
朝方はまた雷が鳴って、そこでもまた目が覚めてしまった。
そんなこともあったが、朝まで降っていた雨も上がり、薄日も差してきた。
昨夜の大きな音は、立てかけた小屋の入り口の雪囲いが風で吹き飛ばされたものと分かった。
そうとうな強風だったようだ。
何度も言うが、ホントに小屋泊まりで良かったと思えた釣行だった。
いろいろあったが、帰り道はコシアブラ、コゴミ、赤コゴミ、ワザビ、フキノトウと、たくさんの山菜を採りながら歩いた。
ブナの芽吹きと残雪とのコントラストが美しい森を目いっぱい楽しんだ仲間との3日間。
また一つ素晴らしい思い出が心に残った。
素晴らしいブナ |
|
福ちゃん |
|
よっちゃん |
|
平澤さん |
|
|
朝日連峰、最高!
|
|
あそこ、コシアブラ!
どこ? あ、あれそうだ!
|
|