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 思い出の大イワナ  群馬県奥利根                                          Photo:小田 浩司
               
湖面はさざ波の衣を纏い
釣り人を優しく包む
湖岸にはいくつもの滝が掛かっていた
この人造湖が出来る前は
美しい渓へと注いでいたのであろう

奥利根に上陸を果たす
この先には何が待っているのだろうか
渓はいきなり巨大な雪渓で歓迎してくれた
雪渓に阻まれて、アルバイトを強いられる
自然は優しいときもあれば厳しいときもある
雪渓も常に巻けるとは限らない
静かに素早く潜り抜ける
釣り人を飲み込もうと口をあける雪渓
 
渓に来たら焚き火はお約束だ
こののんびりとした時間がたまらない
雪渓の周りには常に靄がかかる
まるで自ら吐き出す靄で姿を隠そうとする魔物のよう
また今年も美しい渓の精と出会えた
逞しい奥利根のイワナ
雪代の冷たい水の中を棲家とする渓の王者
ついに手にした!
湖を渡り、命がけで雪渓を越えた者だけが手に出来る大イワナだ
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