岩手県の山間部を流れる和賀川。
奥羽山脈の和賀岳東麓に源を発し、約80kmを流れ下る北上川の支流だ。
中流部には1965年に湯田ダムが作られて、錦秋湖と呼ばれる人造湖が観光名所になっている。
和賀川源流部には私も入渓したこともあるし、渓道楽でも何度か訪れているお馴染みの釣り場である。
私自身は和賀に来たのはすいぶんと前のことで、久しぶりの訪問となった。
今回はまったりと宿泊まり。いつもの源流メンバーとは違う顔ぶれでの釣りだ。
今釣行の顔ぶれを紹介すると、まずは渓道楽創設メンバーで初代会長の岩田さん。
会の発足が1998年だから、もう15年もお世話になっている。
岩田さんの釣り歴は長い。20代のころからというから、もう50年ほどだろうか。
そう、岩田さんは今年74歳。あの渓の翁、瀬畑さんよりも年上のベテランなのだ。
お次は永田さん。永田さんは、渓道楽ができてすぐに入会した古参会員だ。
そして去年、今年と源流釣りに続けて参加してる、近藤さん。
さらに直前まで仕事の都合がつかなくて参加できるかわからなかった、高橋さん。
それに私を加えた5名となった。
車は永田さんのハイエースロングのキャンピング仕様。
5人でも楽々の乗車で快適だ。
運転手も大勢いるし、岩手までの500km超のドライブもあっという間だった。
さて、そんな感じで岩手入りした我々。勇躍車止めへと向かったのだが、そこにはなんと先行者の車が・・・。
「ありゃ〜! 参ったなぁ。先行者だよ。」と岩田さんががっかりしている。
「今まで先行者がいたことなんて無かったんだけどなぁ。」
「仕方ないですね。他に移動しましょう。」
というわけで、さっさと移動。和賀川にはたくさん支流があるので、こんなときも何とかなるのだ。
はるばる500kmも走ってきて、入る所が無かったなんて泣くに泣けないし。
幸い、今度のところには先行者はいなかった。
すでに明るくなっているので、すばやく着替えて渓に降りた。
ここ岩手も山が萌えていた。美しい新緑が我々を歓迎してくれている。
この渓は少し上で二股になっているので、別れて入ることにした。
私は御老公のお供をおおせつかり、岩田さんと一緒に左の沢を釣りあがることに。
「じゃあ、2時に車で!」
「気を付けて!」
ここは岩田さんが以前に入ったことがある沢で、実績もあるらしい。
ただ今年は雪が多くていつもよりも水量が多いようだ。
実際、二股に分かれるまではかなりの水量で、太ももまで浸かっての遡行もあった。
「う〜、冷てぇ〜!」
上にはまだ雪渓が残っているのだろう。
水が冷たくて震え上がる。
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